赤い血糊 | ホタルの恋のうた

赤い血糊

ノートを開くと血の匂いがした。
痛き事を綴った文字から蘇る傷口。
裂けた皮からたらたらと流れていた私の赤い血。
今は文字からしか場所がわからないほど
すっかりきれいになりました。
でも雨の日には痛むんです。
どこだかわからないのにしくしくと。
幸せという市販の絵の具を何種類も混ぜて
重ね塗りした下から
迷彩の苦しみが透けるのです。
濡れた皮膚の下に女の崩れた化粧のように
人間の、脂と混じって
私の一部になりました。
その赤い色が愛おしく
まだ時々、そのノートを開いてみたりします。