ラストで泣いている理由を尋ねられた主人公が答える。

今、人に別れてきたんです。

別れというものは、というより人との出逢いは儚い。

先週、銀行の担当者が転任の挨拶に来た。「もうお会いできないと思うとホントに残念です」と社交辞令を言う。

「そんなこと言わずにまた顔だして下さい」社交辞令返しである。

すると彼女は真顔になって「元の担当先とのお付き合いは禁止なんです」と言う。

「あ~不正融資とかあるといけないからね」と言うと。

「そういう訳ではありません」と言う。

この辺で面倒くさくなってきた。

まあ、仕事には多かれ少なかれ属人的要素があって、前の担当が良いと言う客がいると何かとやりづらいってことだろう。

彼女の場合はダイレクトに客と関わらない部署に異動だそうで、KYな彼女には良い事だと思った。が、さすがにそれは口には出さなかった。

そんな私に対して「二度とお会いすることはないと思います」と言い残して彼女は去って行った。

別れにも作法ってもんがあるんじゃないか?