昨日は金曜ロードShowで宮崎駿氏の傑作『となりのトトロ』を観たが、やはりウルウルした。
あの映画って、子供店長も言ってたけど、田舎とか自然を大事にしようねっていうことがテーマだと思ってる人が多いと思うけど、全然違うでしょ!!
あれは、戦争がテーマだよ!
実はあの映画、『火垂るの墓』と同時公開なんだよね!共通キャッチコピーは「忘れ物を届けに来ました」
『火垂るの墓』もジブリ作品で、あれは戦争をもろにテーマにしていたけど、『トトロ』だって戦争をテーマにしてるよ!もちろん武器も兵士も出てこないけどね!
これは、アニメ評論家の古谷ツネヒラさんが言ってたんだけど、
トトロってサツキとメイにしか見えないんだよね!お父さんには絶対見えない!
時代的には戦争が終わって高度経済成長期の前夜。サツキとメイは戦後生まれの象徴。お父さんは大学の非常勤講師で40歳くらいだから戦争世代の象徴。
そして、サツキとメイがオカリナを吹くシーンがあるんだけど、その時にお父さんのほうに一瞬カットが移るんだが、彼はちらっと外を見て、なにかをわかってるようなほほえみを浮かべるんだよね!
なぜ、お父さんはトトロに近づいて行かないのかなー?お父さんにはもしかしたらトトロは感じる能力があるかもしれない。でもあえて近づいて行かない。なぜ?
それは戦争時にお父さんみたいなインテリは、戦争を止められなかったという自責の念があるから!
戦争世代には見えなくて、戦後世代には見えるもの、それは平和でしょ!!
トトロって平和の象徴であり、戦争世代が見えてはいけないという設定なんですね!
やっぱり平和っていうのは戦争を知らない世代にしか見えちゃいけないし、特に子供だよね!ああいう子供たちに平和というものが見えないといけない!
最後にトトロの歌が流れるけど、その中で「子供にしか見えない」「昔からある」っていう言葉がでてくるんだが、平和っていうのは昔からあるんだが、いつもいつも大人どもが自らの利益のために戦争をやっちゃうんだよね~!
以上、『火垂るの墓』と同時上映という事実から踏まえると、これは強烈な反戦映画であるといえますね!素晴らしい大傑作です。