第49回「衆議院議員総選挙」の投開票が、2021年10月31日に行われた。

 

公示日の10月19日時点での勢力は、以下のブログを参照。

第49回「衆議院議員総選挙」選挙戦開始

https://ameblo.jp/firebird-1090/entry-12703467915.html

 

 

投開票の結果、どうなったか。結果を踏まえて私なりに総評してみたいと思う。

 

●獲得議席数の結果

 

結果は以下の通り。

 

◆与党 <計293……自民(259+2)+公明32>
◆野党共倒 <計110……立憲96+共産10+社民1+れいわ3>

◆野党 <計52……国民11+維新41+NHK0>

◆無所属 <計10……無所属(12-2)>

 

※補足

・「希望の党」は、10月1日に解党。(解散時の所属議員は無所属扱い)

・政党無所属の当選者のうち、2名が自民党に追加公認。

  追加公認前…自民259、無所属12

  追加公認後…自民261、無所属10

 

 

●連立与党は勝利と言ってよい!
 
<自民党単独>
絶対安定多数(261議席)に到達。議席数こそ減らしたが傷は浅め。
 
<連立与党> (自民党・公明党)
公明党は、得意の手堅い選挙で小選挙区を全勝した。(9議席)
連立与党の合計は293議席。トータルでは議席数こそ減らしたが傷は浅い。
 
<改憲勢力> (自民党・公明党・維新の会・国民民主党)

自民261+公明32=293

自民261+公明32+維新41=334

自民261+維新41=302
自民261+維新41+国民11=313

自民261+公明32+維新41+国民11=345

 

加憲派の公明党を改憲勢力と見なすかどうかは微妙だが、憲法議論に積極的な国民民主党を考慮すれば、公明党無しでも改憲勢力(310議席)を上回る。

 

 

コロナ禍という事もあり、どの国も与党が選挙で苦戦し、議席を減らして当然レベルの中で、自民党は大方の予想を上回り、フタを開けてみたら15議席減で済み、傷は浅かった。

 

この結果は、これまでのアベ政治やガースー黒光り内閣の取り組みが評価され、信任されたものと思ってよいだろう。立憲共産党が議席を減らした事からもそれは顕著である。

 

連立与党は勝利と言ってよい!

 

 

●野党共闘は野党共倒へw

 

一方、バカ野党共闘はどうだったか。

 

217の選挙区で野党統一候補を一本化して擁立したわけだが、単純な足し算とはいかなかった。

 

もちろん、一本化した事によって当選できた候補者もいる。小選挙区では9議席増やしている。


だが、逆に票が他へ逃げてしまったパターンも見られた。比例は23議席も減らし、かなり取りこぼした感が否めない。比例までは一本化できないからね。

 

共産党支持者の人の多くは立憲民主党の候補者に投じたようだ。

しかし、立憲民主党支持者や支持母体の労働組合連合の共産党アレルギーは相当強かったようで反発を招いてしまい、他へ流れてしまったw

 

そりゃあ、いくら自民党に勝ちたいからといって、共産党と組むのはマズイよなw

 

共産党はどの小選挙区でも2万前後の固定票があるが、それが欲しいがために、逆に支持母体である労働組合連合の組織票を逃がしてしまったら意味がない。

 

それが、激戦区に持ち込めても、最後の最後で勝ち切れなかった要因なのだろう。


共産党は野党統一に手応えを感じて大喜びのようだが、立憲民主党はお通夜状態だwww


また、モリカケ・サクラ・シュレッダーの追及とかいう多くの国民が心底どーでもいいと思っているような事や、ジェンダー・選択的夫婦別姓・LGBTなどという多くの国民に関心のない政策を掲げていたのは、もはやアホとしか言いようがないw

 

 

●大躍進の維新の会、全滅した大阪自民

 

今回の選挙で、大躍進を遂げたのが日本維新の会である。

 

解散前は10議席だったが、最終的に41議席(小選挙区16+比例復活25)を獲得した。特に、お膝元の大阪府では15勝0敗と完勝した。

 

比例近畿ブロックでの維新比例票も多く、近畿ブロックの候補が比例復活で10議席も食い込んできた。(但し、惜敗率は低め)

 

大阪府や近畿ブロックでは、26議席(小選挙区16+比例復活10)を獲得。

近畿圏以外では、15議席(比例復活15)を獲得。

 

・小選挙区 《16議席》

 大阪(15)

 兵庫(1)

 

・比例復活 《25議席》

 近畿<10>=兵庫(8)+京都(1)+奈良(1)

 東北<1>=宮城(1)

 北関東<2>=埼玉(2)

 南関東<3>=神奈川(2)+千葉(1)

 東京<2>

 北陸信越<1>=富山(1)

 東海<2>=愛知(2)

 中国<1>=広島(1)

 四国<1>=徳島(1)

 九州<2>=福岡(2)

 

 

まだまだ大阪ローカル政党というイメージは強いが、他地区でも自民批判票や野党共闘批判票を食って相手を苦戦させたのは間違いない。

 

 

逆に、大阪自民は小選挙区で全滅wwwww

 2021年(立候補者15名)…当選0・比例復活2・落選13

 2017年(立候補者15名)…当選10・比例復活5・落選0

 

と、大阪自民だけで前回よりも13議席減というウンコっぷりwww

 

 

大阪府の小選挙区の戦績は、

 2021年…維新15・公明4

 2017年…自民10・公明4・維新3・辻元1・無所属1

 

大阪自民が、まさかここまでウンコだとは思わなかったwww

 

アベやガースーに擦り寄っていた維新だが、キッシーには容赦ないようだw

大阪自民は、ゼロからやり直さないとダメだろう。

 

そして、あの辻元清美が敗れるという大波乱www

 

 

●愛知県と東海ブロック

 

私は愛知県民の自民党員だが、そんな私が衝撃だったのは、全トヨタ労連が自民党に擦り寄ってきた事だった。その影響が愛知県内に波及したのか、自民党が善戦する事となった。

 

その結果、東海ブロック(愛知、岐阜、三重、静岡)の自民党の戦績は、

 愛知県(全15選挙区)…当選11・比例復活4

 岐阜県(全5選挙区)…当選5

 三重県(全4選挙区)…当選3・比例復活1 (2区で金星)

 静岡県(全8選挙区)…当選5・比例復活3

 

 東海圏(全32選挙区)…当選24・比例復活8

  東海圏(比例)…9議席獲得

 

このように、自民党の小選挙区候補者が多く当選し、比例票も多く伸びた事から比例復活しやすい状態が整い、小選挙区候補者は全員が議員バッジを付ける事となった。

 

愛知県は、前回と同様の8勝7敗なら上出来と思っていたが、それ以上の結果を出してくれた!

 

 

愛知11区は、これまで自民党の0勝8敗だった魔境だったが、ゼロ打ち当選となり、県内で当確一番手となったw

 

愛知7区もゼロ打ち当選。ジュンジュンは今回はあっさり当選w (前回は山尾志桜里に惜敗)

 

愛知2区は、古川(国民)に乗っかる電力総連やJR総連の組織票の壁はブ厚く、ゼロ打ち当選となった。これで、自民党は0勝9敗となった。惜敗率の関係から比例復活も危うかったが、比例復活。

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愛知3区も厳しい結果となったが、比例復活。

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愛知5区は、口蹄疫パチンコ議員赤松の牙城がついに崩れる。赤松本人は引退したが、赤松の元秘書が出馬していた。元秘書は落選したが、それより得票数の少なかった維新候補が惜敗率54.0%で比例復活している。

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愛知12区と愛知13区は、選挙カーやポスター等で「立憲共産党」という名を出さず、ステルス戦法で戦った立憲の候補者が当選。

 

岐阜は、前回と同様に5勝全勝! ド安定の戦いだった。

 

三重1区・三重4区は、ゼロ打ち当選。

三重3区もゼロ打ち当選。やはりイオン岡田(立憲)の牙城は固い。

三重2区が大接戦の上、自民党の新人候補が中川(立憲)の牙城を崩して当選する金星を上げる。

 

静岡5区は、自民党入りを目指す無所属二階派の細野がゼロ打ち当選で、ダブルスコアの圧勝。

「自民党公認候補」「総裁派閥(岸田のポチ)」しかアピールポイントのない吉川は惨敗するも、愛知県勢の大健闘により比例復活枠が空いた関係で、惜敗率48.0%ながら比例復活。さて、この民意を静岡県連はどう受け止めるのか。

 

こうしてみると、やはり「比例復活」はおかしな選挙制度だ。僅差ならともかく、ダブルスコアで比例復活とか、恥ずかしくて国会議事堂内を歩けないよww

 

 

●マスコミの予想は大ハズレw

朝日新聞

産経新聞

時事通信

日本経済新聞

読売新聞

 

報道各社で、各党の議席数の予測には幅があったが、ほとんどは自民党にネガティブで、だいたい平均してみると、

 ・自民党は、単独過半数(233議席)にギリギリで到達するかどうか。

 ・連立与党では絶対安定多数に到達。

 ・立憲民主党は、120~140位の議席になる公算が大きい。

 

そんな中で、あの朝日だけが「自民の単独過半数を大きく上回る」と予測していた。(記事タイトルは「自民が単独過半数確保の勢い」となっているがw)

 

 

選挙期間中の報道の仕方によっては、選挙結果に大きな影響を及ぼす事もある。

 

・アンダードッグ効果

選挙前の予測で劣勢・不利を伝えられた候補者が、その後、同情票や挽回のための支持から、予想以上に票を伸ばす現象。

 

・バンドワゴン効果

選挙前の予測で優勢・有利を伝えられた候補者に、有権者が投票し、更に有利になる現象。ようするに、勝ち馬に乗る事。支持政党のない人が乗せられやすい。

 

この二つの効果を総称して、アナウンス効果と呼ぶ。今回は、報道各社で予測に幅がありすぎたために、どちらの効果も出なかったように思う。

 

だが、今回の結果に近い予測となった報道機関はほぼゼロで、奇跡的にも朝日が最も近い予測にはなったが結果論でしかなく、ほとんどと言っていいほどアテにならないのは確かだ。

 

 

与党の議席数を正確に当てたのは、選挙プランナーの三浦博史氏だけだった。

スポーツ報知 (2021.10.18)

 

 

●大物議員の落選と比例復活

 

もう一つの特徴として、大物議員や閣僚経験者が小選挙区で敗れたのが目立った。

 

長年に渡り無敗続きだった小沢一郎(岩手3)と中村喜四郎(茨城7)が、落選して比例復活。

小沢王国陥落といういろんな意味での衝撃。当初から自分にとって厳しい選挙になると長年の経験から感じ取っていたのか、選挙戦初日から岩手入りするほど。自民党ルールならガチ落選w

 

あの辻元清美(大阪10)は、比例復活もできずに落選。

 

内閣や党の中核を担った甘利明(神奈川13)、平井卓也(香川1)、桜田義孝(千葉8)、金田勝年(秋田2)も落選して比例復活。
 

当選16回で無敗の野田毅(熊本2)、レジ袋有料化の原田義昭(福岡5)、アベノミクス仕掛け人の山本幸三(福岡10)は落選した。党規の「比例73歳定年制」により重複立候補できなかった。

 

 

そして、石原伸晃(東京8)は比例復活もできずに落選。石原宏高(東京3)は比例復活。石原軍団の牙城が崩れたのは、いろんな意味で衝撃。
 

石原兄に関しては、メロリン牛太郎にやられた感じもする。当初、メロリンは東京8区での立候補を明言したわけだが、立憲の反発に遭ってしまい、その時に立憲候補の知名度が上がった。後にメロリンは立候補を取り下げ、共産党も一本化に伴って取り下げたため、形勢が逆転してしまった。これはメロリンや野党共闘の仕掛けたシナリオである可能性が高い。

 

石原兄は、メロリンがそのまま出てきてくれた方が選挙戦をやり易かったのではないか。それにしても兄弟揃って大苦戦するとはね。石原軍団の終焉・解散が響いたのか??

 

 

●総括

 

結局、今回の争点は何だったのか?

 

ガースー黒光り内閣が続投していれば、アベ・ガースーに対する是非が問われていただろうが、キッシーにチェンジした事で争点とはならず。

新型コロナウイルス対策に関しては、新規陽性者数が激減した事で、これも争点にはならず。

各党が掲げた経済政策も、分配分配給付金給付金の連呼ばかりで、そんなに大差がない。

 

という事は、残るは野党共闘に対する是非だったのかもしれない。

 

その結果、政権批判票は野党共闘に流れず、維新がほぼ全部食い尽くした感があったのではないか。

 

 

さてさて、酷く醜い言い訳ばかりをして、政権批判するしか脳のないバカ野党はこれからどうするのかな?
 
楽しみにしているよwww