第25回「参議院議員通常選挙」の投開票が、2019年7月21日に行われた。
公示日の7月4日時点での勢力は、以下のブログを参照。
第25回「参議院議員通常選挙」
投開票の結果、どうなったか。結果を踏まえて私なりに総評してみたいと思う。
●獲得議席数の結果
結果は以下の通り。
◆与党 <計141……非70/今回71>
◆野党 <計84……非43/今回41>
◆諸派 <計3……非0/今回3>
◆無所属 <計17……非8/今回9>
※補足
・「希望の党」は、参議院から消滅。(衆議院は2名。政党要件を満たさず)
・「沖縄社会大衆党」は、国政から消滅。
・野党統一候補の当選者が、どこかの政党に入党する可能性は大いにあるw
※政党の要件
公職選挙法で定められた「政党の要件」とは、当該政党その他の政治団体において、下記のいずれかを満たしている事が条件となる。
(一)所属する衆議院議員又は参議院議員を5人以上有する
(二)直近の『衆議院議員総選挙』又は『参議院議員通常選挙』において、得票総数が当該選挙における有効投票総数の2%以上である(比例代表もしくは選挙区)
・社会民主党は、国会議員数5人を満たしておらず、政党要件を失う危機であったが、比例代表で得票率2.09%で、辛うじて維持した。消えると思ったのにwww
・れいわ"深圳"組は、比例代表で得票率4.6%で、政党要件を満たした。
・そしてついに、「NHKから国民を守る党」も、選挙区で得票率3.0%になり(比例代表の得票率は1.97%)、政党要件を満たして、国政に初参入www
これにより、いわゆる「諸派」ではなくなり、政党助成金が支給され、衆議院選挙で比例の重複立候補ができるようになるなど、かなり有利な面が増える。
<連立与党> (自民党・公明党)
・過半数(123議席)を上回った。
→予想通り。結果は141議席。
<自民党単独>
・過半数(123議席)には到達せず。
・議席数を減らした。
→予想通り。結果は9議席減。(公示時122-選挙後113)
<改憲勢力> (自民党・公明党・維新の会)
・3分の2(164議席)には到達せず。
→予想通り。結果は157議席であった。(自民113+公明28+維新16)
というわけで、全体的に見たら、アベ政権にとって、この議席数は最高バランスと言っていいだろう。
本来、争点でも何でもない「消費税増税」をあえて謳う事で、連立与党や自民党単独で議席数を取りすぎず、改憲勢力3分の2にギリギリ到達しないという絶妙な神バランス。
それでいて、本当に勝ちたかった選挙区(和歌山、三重、福島)で勝ち、逆に、不満分子のいる選挙区(広島)では引導を渡して排除した。
総理大臣の専権事項である解散権が及ばない参議院で、自党に変にチカラを持たせすぎると、何かと面倒だし扱いづらくなるだろうからね。
ましてや、参議院自民の背後には青木幹雄という爺さんもいる。2018年の総裁選挙の時に、裏でコソコソしながら石破を支持していたあの爺さんの事ですwww
そして更に、10月に迫った「消費税増税」は、改めて信を得たと言ってもいいだろう。まぁそれでも不満があるのはわかるし、私だって消費税増税には反対。
しかし、法治国家である以上、延期・凍結・廃案にするにはそれ相応の理由が必要になる。また、"野田の消費税増税法案の呪い"からも解放されず、選挙のたびに政争の具としても使われる事になるのは面倒でもあるのだ。
そもそも、消費税増税法案を通したのは悪夢の民主党政権であり、そんな政権を選んだのは他の誰でもない国民自身だ。これはもう「罰ゲーム」として受け入れるしかあるまい。そうすれば"野田の消費税増税法案の呪い"は解ける。その後で頃合いを見計らって消費税減税法案でも提出すればよい。
改憲勢力に関しては、自民党・公明党・維新の会の他に、他野党や無所属から比較的改憲派寄りの者を加えて3分の2に到達するくらいが丁度良く、公明党や維新の会がいる以上、自民党も下手なマネはできなくなり、刺激と緊張感も与えられる。
そもそも、現段階では、発議よりも議論する事のほうが重要であり、改憲勢力3分の2に拘る必要は全くない。それに、今、発議できたとしても、国民投票でほぼ間違いなく否決されるだろう。そうなってしまえば、アベ政権にとっては何もかもがお終いだ。
公明党の主張する「現状維持+加憲」をどうするか。また、維新の会は、発議のための道具として利用し、ヤツらが最も主張する「第8章の改正=道州制」は潰す。
これが、第一党である自民党に求められている。
そして、アベが選挙特番でも言っていたが、国民民主党を如何に抱き込めるかが、今後の憲法改正議論のカギを握ると言っていい。
Casting Voteを握っているのは国民民主党だ!
アベ「聞いてるか、タマキン!!」
タマキン「呼んだ~?」
●一人区
一人区は32あった。自民党は22勝10敗(勝率.6875)であった。
岩手県、宮城県、秋田県、山形県、新潟県、長野県、滋賀県、愛媛県、大分県、沖縄県……これら10県で落とした。
議席数だけ見れば十分だと思うが、拉致問題の解決を目指す自民党にとって、一番落としてはいけない新潟県選挙区で落としてしまった事は痛い…。これは本当に残念でならない。
あと、気になったのが、東北勢での落選が目立った事。これはおそらく景気の問題があるのだろう。東北は景気の良さを感じにくい地区で、アベノミクスの効果と言われてもピンと来ないだろう。東北はこれからだ。
なお、友党である公明党は、一人区と二人区は自民党に任せて、三人区以上の選挙区から7名の候補者を擁立し、7名全員が当選した。さすが、手堅さと票読みの上手さは政界随一。
・公明党
一方、野党は、一人区では統一候補という形で一本化して臨んだわけだが、東北を中心に10議席取った事になる。
●一人区(三重県選挙区)
三重県といえば、 愛知県と同じく民主王国である……というよりも、そこから更に進化した『民主イオン岡田帝国』である。 自民党公認候補者が当選する可能性が極めて低い地域だ。特に北部は。従って、自民党は常に圧倒的不利で、アウェイでの戦いを強いられる。
そんな中で、官邸推しの一人である吉川有美候補(谷垣グループ)が6年前に続いて2回連続で当選した。この議席を守った事は非常に大きい!!
金融、インフラ、農業系に非常に強く、世耕弘成経産大臣も当選を切望していたほどだ。公示日早々にガースーとアマリンが三重入りした。グループの主である谷垣禎一氏も自ら映像コメントを寄せた。
また、アベも二度に渡り三重入りし、そのうちの一度は半日付きっきりで応援演説に周った。
・2019.07.12(Youtube) ※私の撮影動画です
6年前の選挙は、第二次安倍内閣になって7か月後の選挙であり、党勢に助けられたところもあったが、今回の当選によって、マグレではない事が証明された!
東海地区の中にあって、三重だけがインフラ整備が遅れており、隣県の愛知県民としても不便かつ歯がゆい思いをしてきた。愛知-三重間で繋がる事の重要さを理解していただけに尚更。
三重県のインフラ整備が進んだのは、自民党推薦の三重県知事が誕生し、与党が自民党に戻り、衆参で各1人以上の自民党議員が揃った事で、予算を確保する事ができたのが大きい。
2011年4月の三重県知事選挙では、鈴木英敬氏が、自民党の独自推薦候補者として初めて、民主党推薦候補を打ち破った。
2013年7月の参議院選挙では、吉川有美氏が、自民党公認候補者として21年ぶりに当選した。
2016年11月の四日市市長選挙では、森智広氏が、イオン岡田連合軍(民進党・連合三重推薦)が擁立した候補者をギリギリの接戦で打ち破った。
長らく手付かずだった新名神高速道路(新四日市~亀山西)が2019年3月17日16時に開通した。これにより、新名神と東名阪で交通量が分散され、渋滞が大幅に緩和した。
交通インフラの整備を進めていく事で、商圏が拡大し、経済の供給力も増して活性化していく。そして地方創生へと繋がっていく。
三重県の状況は変わってきている。愛知県(名古屋市)から三重県へ。三重県から和歌山県へ。インフラ整備はまだまだ必要なのである。
・新名神開通
だが、やはり「イオン岡田連合軍」が強敵だった事は間違いない。「岡田屋」創業家である岡田は、地元に顔が広く、多くの企業とも親密な関係を持っている。そこを切り崩さない事には勝利はないと思っていた。
3年前や9年前の三重県選挙区は、自民党が負けている。課題はまだある。
●愛知県選挙区
我が、愛知県選挙区(四人区)では、予想通りの結果となった。
・愛知県選挙管理委員会
立候補者は12人。自民、公明、立憲、国民、共産、維新(減税)、社民、諸派4、無所属。
現職2名の当選は当然とも言える。(但し、大塚さんはある程度苦戦した模様)
社民・諸派4・無所属の6名は即脱落するものと読み、実質的に公明・立憲・共産・維新(減税)の4名で残り2つの議席を争うという構図になる事は、公示前から言ってきた。
そして、大切だったのは、共産と維新を叩き落とす事だった。共産は言わずもがなw
問題は維新の会&減税日本のコンビだった。両党とも、やたらと「身を切る改革」に拘っている。そのような政党が擁立した候補を叩き落とす事は、減税日本の主である河村たかし名古屋市長の求心力を衰えさせ、ノーを突き付けるためにも重要だった。
終わってみれば、当選と落選の間では18万票以上の差がついた。自民党支持者のいくつかが公明党に流れたらしく、それが助け舟となり、結果として公明に恩を売る事もできた。これも選挙戦略の一つだろう。
今回の愛知県民は素晴らしい判断をしたと思う。
●岸田派と、"宏池会王国"広島県選挙区
岸田文雄政調会長が率いる岸田派(宏池会)からは、9名の候補者を擁立したが、4名の現職の候補者が落選した。
一人区の秋田県、山形県、滋賀県。そして二人区の広島県から、"参議院のドン"溝手顕正が落選した。
特に、岸田派の牙城である広島で落としたのは、岸田さんにとっては痛いだろうwww
二人区の広島県選挙区において、自民党が2名の候補者を擁立したのは21年ぶりであった。
・河井案里
夫は、衆議院議員の河井克行氏。(広島3区)
総裁外交特別補佐を務め、アベ官邸にも近い。ガースーやお2Fさんとも近く、河野外務大臣も支援に回った。
・溝手顕正
"宏池会王国"広島において、岸田派の重鎮であり、岸田さんよりも権力がある。
本来なら、党規約の73歳定年により立候補できなかったが、"参議院のドン"だからか、例外で認められた。
2007年夏の参議院選挙で、自民党が惨敗した時にアベを批判した。
→第一次安倍内閣で内閣府特命担当大臣(防災)を務めていたが、改造内閣で外されるw
2012年2月には「アベは過去の人」と発言。
・2012.02.28(日本経済新聞)
という事で、アベと"参議院のドン"溝手には妙に変な距離感があるようにも思えた。
比例代表で立候補した鈴木宗男が当選。維新の会の比例候補の中ではダントツの票数だったが、大半が北海道民からの票だった模様。(本拠地大阪では、梅村さとしが1番人気だったようだ)
・北海道選挙管理委員会
ムネヲの場合は、身を切るフリをしながら、ほぼ北方領土の解決のためだけのワンイシュー議員になるのかも。
そして、ナント、OTKTが当選してしまったwwwww
選挙区の中で最後に決まったのがOTKTであったwwwww
また、れんぽう…いやっ、蓮舫の元秘書の柳ヶ瀬も当選。
●ハイパー藤巻健史さん、落選するw
コチラはある意味で悲報w
JPモルガン銀行の"窓口"であり、ジョージ・ソロスの"カバン持ち"の経歴を持つハイパー藤巻さんが落選w
円が暴落して1ドル10万円とか言ってるからwww
・2014.11.10(日刊ゲンダイ)
●タレント候補者
立憲民主党から立候補した"恋から芸人"の塩村文夏が東京都選挙区で当選w
それも、かなり早いうちに当確が出た。おそらくは情弱票と組織票で構成されていると見る。なお、塩村の父親は暴力団を使った強要罪で有罪判決を受けている。
立憲民主党の比例代表から、須藤元気が当選したが、「モー娘。」の市井紗耶香は落選www
9年前の三原順子や、3年前の今井絵理子のように、真面目に政党を選ばないからwww
比例なら政党選びも重要。あとは、圧倒的に準備不足。
そう考えると、2010年の逆風の中で当選した三原はスゲェんだなw
2016年はブッチギリだった。顔ではなくボディを攻めた結果かなw
●ヨシフ・スターリンの逆神は健在w
選挙活動中、有田ヨシフに応援演説をされた候補者は全て落選した模様wwwwwwwwww
なお、ビーチ前川も同様だった模様wwwwwwwwww
●山本太郎と不愉快な深圳組のなかまたち
山本太郎が推しに推していたという共産党の辰巳孝太郎と、立憲民主党の亀石倫子は、二人揃って仲良く落選したwww
そして、ナント、山本太郎も落選www
だがしかし、比例代表の個人得票数99万票は、比例代表候補者の中で当落問わず1位であったwww
落選はワザとなのか、特定枠当選者を辞退させて繰り上げを狙うつもりなのか。
それとも衆議院選挙に出てくるのか??!
もし、そうだとしたら、衆議院選挙は小選挙区なので、当選する可能性は高そうだ。(比例代表で立候補しても同様)
だが、衆議院の解散は、私の予想では、2020年秋(東京五輪終了後)から2021年夏の間のどこかと思っている。
その間、私人でありながら、政党要件を満たした新党の代表を務めながら、一方でプロ市民活動家に勤しむのであろうか???