一年生の壁 7 | 勝者=敗者 ~越えられない背中を目指して~

勝者=敗者 ~越えられない背中を目指して~

曙五郎の高校生活、柔道に打ち込んだ青春時代を書いています。

気分で更新しますので気長にお付き合いよろしくお願いいたします。

尚、登場人物はすべて架空の人物です。

目の結膜炎もほぼ回復して、迎えた試合当日。

1回戦の相手は小学時代から、一度も勝ったことがない樟学園の野坂勲だった。

勲とは小学時代は常に力負けして毎回一本負けしており、中学生になり階級別になっても、毎回上位で当たっていた。中学2年生ごろからはお互いの手の内が分かってきたものの後一歩のところで毎回判定で負けていた。

今回も、お互いポイントがないまま時間が過ぎ判定負けだった。

五郎は今回の試合内容を含めて正直、今までの中で一番手ごたえがあり、もしかしたらと思っていたが判定2対0で主審の手が勲に上がった。

 

試合後に福岡先生からも試合内容については怒られなかった。

試合の帰り道、大国も勝ったかと思ったと話していたし、五郎は前から都市伝説的に広まっている噂を思い出した。

しかし、まさかそんなはずはないと頭をふり、まだまだ自分の実力不足だと考えなおした。

 

翌週はインターハイの県大会が東部の体育館で行われた。

試合会場が遠い為、選手のみが前日泊で試合に向かった。五郎たち、試合に出られない生徒は学校に残って練習だった。

結果は今回も最悪の結果だったようで福岡先生の機嫌も悪かった。五郎と同級生で同じ階級の松木も1回戦で敗退していた。

 

その他は、姉の恵はケガの為棄権したが、双子の妹の紀絵は1年生ながら初優勝を飾った。

 

翌週の国体予選も2回戦で負けたので、五郎の1年生の公式戦は終わった。