土曜日、次女が通う小学校で、市役所や消防署、地域のコミュニティの方々が主催の「親子防災教室」
が開催され、子どもと二人で参加しました。
の
この防災教室は、
- 専門大学の先生による講演
- 市役所の方による地域の避難所運営に関する説明
- 校庭での実践的な体験
という三部構成で行われました。
私自身、日頃から防災意識は持っているつもりでしたが、今回の参加を通して、「わが家は何が足りないのか」
「災害時に本当に命を守る行動とは何か」
について、深く考えさせられる貴重な機会となりました。![]()
本記事では、特に心に残ったポイントや、すぐに実践すべきだと感じた備えについて、詳しくご紹介します。
目次
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大学教授の講演から学んだ防災の大切なこと
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市役所の方に聞く!避難所のリアルと進化
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体験型ワークショップ:備蓄と実践の大切さ
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災害が教えてくれる「普通の日常」の価値
大学教授の講演から学んだ防災の大切なこと
まず、専門の大学の先生の講演は、なるほどと納得する情報ばかりでした。
特に印象的だったのが、「災害時の避難行動」に関する考え方です。
1. 大雨災害時における「帰宅」の危険性
近年、特に身近な脅威となっているのが大雨
による災害です。
今年も7月頃に、私の住む市でも、駅周辺が膝下まで冠水するという事態が発生しました。
講演では、「大雨警報発令時など、危険が迫っている状況下で、学校が子どもたちを自宅に帰宅させることの是非」について言及がありでした。
- 学校側の懸念(責任問題):学校としては、校外言及でのトラブルを避けたいという思いから、早めに帰宅させる選択をしがち。
- 専門家の見解(本当の危険):しかし、冠水が始まっている、あるいは危険が高まっている状況での移動こそが最も危険である。
特に、保護者が車で迎えに来る際、道路と田んぼ、用水路などの境界線が見えなくなり、転落する事故が後を絶たないというのです。
実際に冠水時の写真を見せていただくと、どこが道路なのか全く判別できない
ほどの状況でした。
このような状況では、学校のような頑丈で安全な建物にとどまるという選択肢も、命を守る上で非常に重要であると痛感しました。
親が迎えに行くという行動も、最悪の状況を招きかねないという事実には、大きな衝撃を受けました。
2. 災害時に生活を脅かす「トイレ問題」
地震などでライフラインが停止した際、誰もが直面する大きな問題の一つが「トイレ」
です。
上下水道が止まると、通常のトイレは水が流せず、すぐに汚物が溢れ、非衛生的な状態になります。
これは単に不快なだけでなく、感染症のリスクを高め、何よりも精神的なダメージ
を深刻化させます。
先生は、「トイレが汚いだけで、避難生活のストレスは計り知れない」と強調されていました。
だからこそ、日頃から災害用トイレ(凝固剤など)の正しい使い方
を習得しておくことが必須です。
わが家でも家族5人分の凝固剤をストックしていますが、改めて使用方法や補充期限を確認し、使用期限が切れる前に買い替えを行うなど、準備を徹底しようと思いました。
3. 健康な体なら乗り切れる「食料問題」と非常食の考え方
もう一つ、安心感を得られたのが食料
に関する話です。
「健康な成人であれば、極端な栄養の偏りを気にせずとも、7日間程度は普段摂取しているエネルギーの半分から3分の1で十分に生存可能である」というお話でした。
災害時、普段通りの活動量ではないため、過剰なエネルギーは必要ないということです。
また、非常食についても、わざわざ高価な専門の非常食ばかりを買い揃える必要はなく、「普段から少し多めにストックしてあるもの」(ローリングストック)が重要であると学びました。
- 備蓄のヒント:
日持ちする普段のお菓子
:特に子どもにとっては、特別なお菓子が心の安定剤になる。
栄養補助食品:プロテインバーや野菜ジュースなど、普段から食べていて飽きないもの。
米や乾麺
:ガスコンロなど、火を使った調理器具があれば、日常の食材がそのまま非常食になる。
我が家も、プロテインバーや野菜ジュースを常に大量にストック
しているため、これらを「準・非常食」としてカウントできるとわかり、少しホッとしました。
高価な非常食を買わなくても、日々のストックを少し増やすだけで、備えはかなり充実するのです。
市役所の方に聞く!避難所のリアルと進化
講演の後は、市役所の方から、実際に小学校の体育館が避難所になった場合の運営方法についての説明がありました。
過去の震災の教訓から、避難所運営は大きく進化しています。
特に重視されているのは「プライバシーの確保」
と「衛生管理」
です。
- プライバシーの配慮:体育館内にパーテーションやテントを張り、家族単位の空間を確保できるようになっていること。
- 衛生面:やはり最優先事項はトイレ。凝固剤や災害用トイレキットの活用方法が詳しく説明され、衛生的な環境を維持するためのマニュアルが整備されていることが分かりました。
こうした備えは、阪神淡路大震災や東日本大震災など、数々の大災害の経験から生まれたものです。
私たちの日常の安心は、見えない場所でのこうした不断の努力によって支えられているのだと実感しました。
体験型ワークショップ:備蓄と実践の大切さ
最後に、校庭に出ての実践的な体験ワークショップに参加しました。
- 貯水槽の確認:小学校の敷地内に、災害時用の大規模な貯水槽があることを確認しました。飲料水として、40m3という膨大な量の水が確保されていると知り、水の大切さを改めて認識しました。
- 煙体験・消火器訓練:テントの中で煙が充満した状態を体験したり、実際に水消火器を使った初期消火の訓練をしたりと、体を動かして災害時の行動を学びました。
- 避難行動:大雨を想定した避難ボートに乗り込む体験などもあり、子どもたちも楽しみながら防災への意識を高めていました。
また、市役所の方からは、災害用持ち出しバッグに入れておくべきものについて、改めてアドバイスがありました。
意外と盲点な必須アイテム:
- 下着:着替えは最低限の清潔を保つために必須。
- 簡易防寒具/レインコート:防寒と防水を兼ねるため、薄くても高性能なものが一つあると便利。
- モバイルバッテリー(蓄電池):情報収集のためのスマートフォンは必須。高価でも、家族の命を守るための投資として検討すべきだと感じました。
災害が教えてくれる「普通の日常」の価値
今回の防災教室を通して、私は「災害はいつか必ず起こる」という現実と、「その時どう動くか」という知識が、私たちの命を守る鍵になることを深く理解しました。
特に、普段何気なく使っている「水」「トイレ」「電気」といったライフラインが、どれほど貴重でありがたい
ものか。
匂いを気にせず使えるトイレ、喉が渇けばすぐに飲める水——この「当たり前」の日常こそが、最大の幸福なのだと痛感しました。
「災害が起こってから」パニックになるのではなく、「何も起こっていない今」こそ、冷静に知識を蓄え、備えを点検し、家族と話し合うことが大切です。
今日学んだことを活かし、まずはYouTubeなどでさらに知識を深めるところから始めたいと思います。