(最新更新日 2014年10月29日(水))


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ダイオキシンは1970年代に「生体にとって猛毒らしい。」とラットやマウスなどの動物実験でわかりましたので,日本政府は1980年代から規制に乗り出しました。


「毒物らしいモノは,ヒトへの安全が確認されるまでは,予防的に使用を規制できる。」

という予防原則の考え方です。


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水俣病の水銀汚染や,イタイイタイ病のカドミウム,大気汚染=亜硫酸ガスによる四日市ぜんそく,原発事故の体内被曝などに代表されるように,毒物は不意に出現します。


毒物かどうか分からないものをそのまま放置しておくと,取り返しのつかない被害者がたくさん出るので,そうならないように,「予防的に」厳しい制限を設けて,その間に医学的,科学的に学問を進めて白黒をはっきりさせようというわけです。


このダイオキシンに関しては,ぼう大な研究費を投じた結果,急速に解明が進みまして,30年ほどで白黒の決着がつきましたビックリマーク


この間日本では,1996年辺りから焼却炉を廃止するビックリマークなどが小中学校などで行われたのは記憶に新しいところです。


結局2001年,
「毒物学と免疫学に関して,この人をおいては最高権威はいない。」と,
学会では誰もが認める,当時の

東大医学部の和田攻わだおさむ先生(現,産業医科大学)の確定論文!!

が出ました。







2001年「学士会会報No.830」の

「ダイオキシンはヒトの猛毒で最強の発癌物質か」

において,和田先生は,次のように述べていらっしゃいます。


「ダイオキシンは環境ホルモンと並んで,新しい環境汚染物質として,最近(2001年)では,毎日のごとくマス・メディアに登場し,必ず『猛毒で発がん性の』という枕詞が付けられ,人々を不安と恐怖に陥れている。猛毒で発がん物質という言葉からは,すこし舐めただけでたちまち人は倒れ,またやがてはガンになって死に,人類は滅亡してしまうことを想像させる。本当にそうであろうか。」


…「少なくとも人は,モルモットのようなダイオキシン感受性動物ではない。また現状の環境中ダイオキシン発生状況から見て,一般の人々にダイオキシンによる健康被害が発生する可能性は,サリン事件のような特殊な場合を除いて,ほとんどないと考えられる。」



つまり,ダイオキシンによる健康被害も患者も,この20年間世界的に報告がなく,ダイオキシンが何千年も前の昔からあったという事実からも,今後も患者が出るのはあり得ない,ということでした。


…人体への深刻な毒性は極めて低いということです。


この2014年の現在まで,この和田先生のご論文は学会内外では否定されたことはなく,極めて信頼性が高い,と言えます。



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れで,このダイオキシンというのは,どういう風にできるか調べました。







有機物を塩化ナトリウムつまり塩と一緒にして,300度から500度で燃やすとできるそうです。


たとえば,サンマやアユの塩焼きとか,焼き鳥とか,アサリの浜焼き,串ネギマとか,なんか,そういう居酒屋で出るようなおいしいものです。


つまり,ダイオキシンは原始時代の昔から狩りや狩猟で火を使って作られてきていて,6000年の間に人類が免疫性,つまり耐毒性を獲得したと言うことも分かってきました。


いろりで串刺し焼き魚,塩を振る焼き鳥さんのようにするのが,ちょうど400度から500度です。


焼き魚や焼き鳥はとってもおいしいビックリマーク料理なのですが,科学的にはダイオキシンを合成するプロセスです。


ですから,ダイオキシンが猛毒であるのならば,すでにこれらを料理した人や仕事にしている居酒屋さんなどは,ガンや不治の病で,もう絶体絶命ダウンというわけですが,そんなことはありませんね。


しかし,「現時点で学問的に分かっていないことは予防的に規制する」という予防原則で規制することは学問的,政策的に正しかったことは,和田先生も含めて多くの科学者が認知していることです。







マウスやラット実験で非常に強い毒性が出たので,


「何か特別で新しい毒物!!


と騒がれましたが,原始時代から人間が付き合ってきた長い歴史のある物だったのです。


史上最強の毒物!! と言って,マスコミであれだけ騒がれて,超有名になった当時のダイオキシン。


今では,学問的にも医学的にも,


「人体には殆ど毒性はなく,無害なのです。たまに急性でニキビのできる人がいるけれど,ダイオキシンに触らなければできなくなり,このニキビを重病や被害ということもできないのです。結論としては安全なのですビックリマーク


と,シロとして決着が付いているというのが,私の調べたところです。


ダイオキシンは1970年代に毒性が疑われたのですが,なぜ結論が出るのに30年もかかったのかと言いますと,簡単なことでした。


つまり,

「ダイオキシンを大量に浴びる環境にあった人の中で,重大な患者さんや被害者が世界に一人も出なかったので,結論が出なかったから。」

ということでした。






1970年代当時,通常の人の1000倍から一万倍という高濃度のダイオキシンを20年以上にわたって浴びていた人が,煙突清掃や焼却炉管理などで世界で34万人いたそうです。


これらの人の追跡調査をくりかえしても,重大患者さんが今も出ていません。


北イタリアのセベソで起こった事故が有名です。1976年7月,この町の農薬工場で化学反応暴走が起こり,推定130kgものダイオキシンが噴出しました。


これは周辺数キロの範囲に飛び散って17000人がこれを浴び,避難が始まったのは事故から1週間,住民がたっぷりとダイオキシンを吸い込んでからでした。


住民の血中ダイオキシン濃度は通常の2000~5000倍ビックリマークにもはね上がり,悲惨な事態を予見してイタリアのみならずヨーロッパ一円がパニックに陥りました。


ところが驚くべきことに,22億人分の致死量(モルモットでの換算数値)のダイオキシンが狭い範囲に降り注いだこのビックリマーク事故で,死者は一人も出ていません


奇形児の出産を恐れて中絶した妊婦もたくさん出ましたが,胎児にも特別な異常は見られなかったということです。


出産に踏み切った女性たちの子供や直接ダイオキシンを浴びた住民たちはその後長い間追跡調査を受けていますが,体質によりクロロアクネ(ニキビの一種)が出た人を除けば,病気の発生率・死亡率など特に異常は見られていません


また,1970年代当時,


日本全国の水田にダイオキシン入りの除草剤が広く使われ,大量に散布使用していた事実ビックリマーク


までもが明らかになりまして,これも調査が行われましたが,患者さんは一人もいませんでした。


どんな稀な病気でも,一億人もいる日本では1000人とか100人の水準で患者さんが出るのですが,浴びたダイオキシンの多い,少ないにかかわらず,この6000年の間にはてなマーク重病の患者さんは一人も報告がなされていないのです。


現在では,ダイオキシンの毒性が弱いのは,専門家の間では周知の事実なのですね…。






科学的根拠があいまいだからこそ「予防原則」で規制しているのに,マスコミは,予防原則の意味をまったくみんなに知らせないで,


予防原則の意味や精神には触れないで,あたかも規制そのものに科学的根拠があるかのように誤った報道を繰り返したのがいけなかったのでは…,と私は思います。

「史上最強の毒物!!」と言ったのだけは,ミスリードだったのですね。







では,前回ご紹介しました武田邦彦先生, (←リンクしますビックリマーク2013年のご論文から,ダイオキシンについての部分を引用して,まとめとします。



2.2. ダイオキシン,環境ホルモンの毒性


ダイオキシンも環境ホルモンも共にその毒性を告発した書籍には人間に対する毒性は記載されていなかったが,社会的には人間に対して強い毒性を持つ物として認識された.


かしその後の研究によって人間に対する毒性が低いか,もしくは無視しうるものという結論を得た.


学術的結果は東大医学部教授の和田の論説に述懐されているように「ダイオキシンが毒物とされたのは,科学の力の弱さにある」にまとめることができる.


ダイオキシンの毒性に関する詳細はすでに出版されている文献によるものとし,この環境問題も「社会的には存在したが,学術的にはまだ存在しないことが明らかになったもの」に分類することができる.


環境ホルモンと称された内分泌攪乱物質は,「オスをメス化する微量物質」と定義されているが,自然界で性転換は多く見られ,自然に性転換しない生物についての異常は認められていない.


従って,ダイオキシン,環境ホルモンなどの化学薬品の問題の存在は明らかでは無い.



次回は,(↓リンクしますビックリマーク

No.23 CO2が増えるとどうなる?はトリック! 4~地球温暖化と生物多様性