Adeleは大好きなアーティストのうちの一人。
 
どの曲も大好きなのですが、とくにAdeleがカバーしているボブディランの原曲「Make You Feel My Love」は思い入れのある曲。
 
亡くなった主人は60歳だったのでAdeleよりもボブディランの原曲の方がより親しんでいたのですが、彼の毎晩の日課はアコースティックギターでこの曲を弾き語りすることでした。

 

 

主人が亡くなった時に葬儀屋さんがセレモニーの段取りをすべて仕切ってくれるのですが、葬儀会場で入場の時や棺にお別れを告げる時などの為に2曲会場で流す曲を選んで葬儀屋に渡さなければならなくなり、一体どの曲をセレクトすればいいか悩みに悩みました。

 

主人が亡くなってからあらゆる手続きがあったので義理の妹が私のために2週間休みを取ってくれていたので一緒に葬儀のアレンジメントなどもサポートしてくれたのですが、葬儀の時の曲がなかなか決まらず、主人の使っていた机をふと見たら、1冊のノートブックに目が留まりました。

 

ふとパラパラとノートをめくってみると、主人がずっと書き留めていたオリジナルの詩や好きな曲の歌詞、ギターコードなどがびっしり書かれていたのでした。

 

私はそんなことを毎晩していたとは知らなかったので驚いたのですが、パッと開いたページに「Make You Feel My Love」の歌詞が手書きで綴られていて、それを見た瞬間、この曲だ!と直感しました。そういえば、毎晩弾き語りしていたことを思い出したのでした。

 

義理妹にすぐノートを見せて、きっと主人がこれをかけてって言ってるんだよね?って言ったら、義理妹もきっとそうだと思うって言って二人で大号泣でした。

 

そしてもう1曲は、エンヤのOrinoco Flow。主人がエンヤが好きだったのと、主人はヨットを所有していたので、退職も残り数年で好きな海を航海するのを楽しみにしていて、毎日仕事の帰りのマリーナに立ち寄ってヨットのメンテナンスに余念がなく心待ちにしていたのにその夢も叶いませんでした。

 

これまた主人に導かれたのだろうと思うのですが、エンヤのCDが主人の車の中から出てきて、家でかけたときに、Orinoco Flowの曲の出だしが「Let me Sail,  Let me Sail (航海させて)」 と次に来る詩が「Sail away、Sail away」さあ出発だ!航海だ!という、主人の旅立ちを明るく送りだしてくれるような曲だったので、もうこれしかないと思いました。

 

しかもSail awayの言葉は船に乗る時にしか使わない言葉でもあるし、ヨットをこよなく愛していた主人にとっては天国へ航海するための最高の曲だなと思い、この曲に決めたと義理家族に報告したときは、義理家族も大号泣しながら、この曲以外にないね。いい曲を選んだねと言ってくれました。

 

 

イギリスの葬儀の仕方がすべて一緒かどうかわかりませんが、主人の葬儀の時は棺が中央の高めの祭壇に置かれていて、最後に、棺とお別れしなければならない時がくるのですが、その瞬間たるや私にとってはかなり衝撃的でした。

 

お別れですという瞬間にシャっとすごい勢いでカーテンが一瞬に降りてきて棺が見えなくなるのです。それはまるで「あの世とこの世を遮断するかのごとく」でした。

 

このカーテンのシャットダウンで家族、親族、友人、知人たちも大号泣だったのですが、私はあまりの勢いある瞬間、かつ想像もつかないその儀式に驚きすぎて涙が止まりました…。今でもあの瞬間は忘れません。

 

葬儀の準備中は義理息子たちや義理兄妹姉妹たちがあれこれ何も知らない喪主のために動いてくれて今でも感謝しています。

 

私の住むヴィレッジの住民のみなさんまでも葬儀の二次会の準備なども盛大にアレンジしてくれて、主人の「人徳」の凄さを思い知らされました。人徳がなければあのように誰も手伝ってくれないし、悲しんでもくれないですし…。

 

主人は信じられないぐらい社交的で、日本語が話せなくても日本に行くと誰とでも親しくなって笑わせて、片言の英語でみんな話かけてくれて、電車の中でもどこにいても注目されていました。(顔がブルース ウィリスに似ていたのでそれで声をかけられるきっかけにもなっておりましたが、私が友達と会っていても、一人でブラブラして見知らぬ人とおしゃべるを楽しめる人だったので本当に楽でした。

 

今、彼氏ができても、できなかったとしてもやっぱり彼の偉大さを比較してしまっていたからきっと彼ができなかったのかなあ。

 

頭の良さ、なんでもやってのける器用さ、寛容さ、ずば抜けたジョークのうまさ。社交性、情の深さ。SASのパラシュート部隊で世界中の危険地帯やアイルランド紛争の第一線やアフガン、アフリカ、南米の紛争地でいろんな死を目の当たりにしてきただけに誰よりも人の死について冷静というかドライというか悟っていた。

 

主人の魂はもう生まれ変わる必要がない人だったのだろうなとふと思えたりする。

 

私はまだまだ課題が多いのであと数回生まれ変わらないと浄化できないだろうけど、彼はきっと魂の生まれ変わりが必要がなく最後にこの世に降りてきて、まっとうし、もうやり残したこともなく幸せな人生だったのであっという間に期限(寿命)が来てしまったんだろうなと思えてならない。

 

松田聖子が郷ひろみと別れたときの記者会見で、泣きながら来世で一緒になろうねって言っていたセリフを思い出すと、いやいや、私はできるだけ生まれ変わりたくない。早く魂のふるさとへ戻って生まれ変わりなどしない上位の魂になりたいと思っている。

 

主人の最期はテレビのリモコンを持ったまま亡くなったのでみんなにハッピーマンと呼ばれています。(笑)テレビを付けようとしてリモコンを持って、ソファに座った瞬間に亡くなったのでテレビはついていませんでした。

 

最期は病気でもなく自分のお気に入りのソファの上で亡くなったので本当にハッピーマンだと思います。

 

話は変わり、私はAdeleのAll I Askの曲が大好き。この曲はブルーノ マースとの共作なので、彼も歌っています。私はアデルバージョンの方が好き。

 

二人の関係が終わって、彼を置いて彼女が去っていく内容なのですが、アデルの書く詩はどれも胸がチクっとなるような詩が多い。