デンマーク人作家フィン・セーボーの長編『姓名不詳』をデンマーク語から読み終えました。
感動!思わず時計を見ました。夜11時10分。
読み始めたのは昨年11月30日からです。
7か月余りかかりました。
本作もやはりセーボーの皮肉が随所に表れています。
彼の皮肉はお役所やマスコミに対して強烈なのですが、聖書や牧師と言った聖なる部分に対しても
筆が鈍ることがありません。
皮肉が描けるということは、実態をよく知らなければできないことです。
よく補助金という制度は耳にしますが、制度の裏をついて、補助金をせしめる登場人物のしたたかさに笑ってしまいます。
また聖書にはためになる文言がたくさんあるのですが、金儲けの得意な牧師が、しらじらしく聖書の教えを会衆に説教する場面はきつい皮肉です。
みて見ぬふりをしたり、長い物には巻かれろ式の生き方をしていたら、決して知りえないフィン・セーボーの世界です。
本作は1965年に出版されましたが、古さを感じさせません。