この出産育児一時金はもっとも考えやすく、また身近な現金給付です。健康保険法上は、
『第101条
被保険者が出産したときは、出産育児一時金として、政令で定める金額を支給する。』
と定められています。また、被扶養者に対する給付も行われますが、こちらは
『第114条
被保険者の被扶養者が出産したときは、家族出産育児一時金として、被保険者に対し、
第101条の政令で定める金額を支給する。』
が根拠条文となっています。
出産育児一時金の支給額は政令で定められるため、比較的容易に変更することができます。加えて、近年は少子化対策として給付金額を増額させるようになっています。出産環境も大きく変わりつつありますので、今後も改正が行われることは間違いないかと思います。事実、民主党は現在42万円の支給額を55万円とすることを提唱しています。どこにそんなカネがあるんでしょうかねえ、鳩山さん?
それよりも、支給額を上げれば少子化対策になって出産も増えるなんて理屈、これまでの歴史が完全に否定しているのにもかかわらず、いまだにこんな小手先未満凡策以下の方法しか考えられない政策立案能力の低下が大きな問題ではないでしょうか。
ま、私の社労士試験合格証書にはしっかりと長妻昭の名前が入っちゃっているように、民主党から恩恵?を受けているわけですが、
ξ*゚⊿゚)ξ <
べ、別に次の参院選で民主党なんかに投票してやろうとか考えたりしてないんだからねっ!そんなことこれっぽっちも考えていないんだから、勘違いしないでよねっ!
などと意味不明な供述をする気は毛頭ございませんですぜ。
これにて閑話休題。
出産育児一時金は出産自体の費用や、出産前後の健診費用などの経済的負担の軽減を図る目的で支給されています。
実際のところ、出産育児一時金という名前の制度は比較的新しいもので、平成6年に始まりました。
それ以前は
「分娩費」と
「育児手当金」というものが支給されていました。分娩費は名前の通り分娩にかかる費用を、育児手当金はミルク代を算定の基礎として支給額が決められました。
平成6年の改正では分娩費と育児手当金を廃止し、出産育児一時金新たに創設することで、出産に伴い発生する一時的な負担を一括して補填、給付の改善を図ったわけです。
分娩費は昭和2年の健康保険法施行当初から法定給付でした。当時も現在と同様に定額制でしたが、終戦直後に被保険者の標準報酬月額の半額支給への変更と、最低保障制度が導入されました。この最低保障は一時廃止されましたが、昭和36年に復活し、漸次引き上げられていきました。
しかし、平成6年の改正で創設された出産育児一時金では、収入に関わらず出産に伴う費用は基本的に同一であると考えられることから、考え方を変更して全員一律の支給額とされました。創設当時の支給額は30万円でした。
もう一方の育児手当金は従来、哺育手当金という名称で昭和19年に創設されました。この時は任意給付でしたが、昭和23年に法定給付になりました。当初は一定額を6月間支給するというものでした。
やがて昭和36年に一時金として2000円を支給するようになり、名称も育児手当金となりました。その後、支給額の改定は廃止まで行われませんでした。貨幣価値の変化を考えると、設立当初はそれなりに意義のある給付でしたが、廃止の頃には存在に疑問がつくようになっていたのではないでしょうか。
なお、支給額を政令で定めるようになったのは昭和55年の改正からです。これは出産に要する費用の実勢を反映させ、弾力的な改定を行えることを目的としたものでした。