第723回 エサペッカ・サロネン Esa-Pekka Salonen
フィンランド 虹のパレット
ぐいぐい押し進んで行く演奏。いわゆるこれまでのクラシックでは「おおらかに」の指示の部位でもアイ・ドント・ケア、ぐいぐい引っ張っていきます。
すべてを聴いて想うこと、イコール個性的。音のやわらかさと色を感じさせます。
ゴールデンフレーズは"音のパレット""虹のパレット"。今日はフィンランドのエサペッカ・サロネンに触れておきます。 |
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指揮と作曲、双方で注目されているフィンランドのエサペッカ・サロネン。首席指揮者を務める英国の名門フィルハーモニア管弦楽団を率いて先月来日、計3都市で公演した。
1983年、25歳でマイケル・ティルソン・トーマス
の代役で客演、楽員の圧倒的な支持を得て85年、首席客演指揮者に。次いで17年間に亘りアメリカ・ロサンゼルス・フィルハーモニック音楽監督。
「どの楽団の音色も似通ってきている今こそ、楽団それぞれの固有の『方言』を大切にすることを考えるべきなのだ」として、パフォーマンスいっぱいの音の出し方を続けている。
2008年、フィルハーモニア管の首席指揮者。「オペラに注力、教育・普及活動に精力を傾ける」と語り「のベートーベンの時代と我々の時代を断ち切らない努力を、意識的に続けている」ともいう。こうでなければならない、という偏った日本のクラシック・オールド達には困った存在。
演奏会に29台のカメラを設置し、様々な角度からそれぞれの楽器群に焦点を当て、29のスクリーンで同時上映するなど試みも楽しい。
「声を出しても、一緒に演奏してもいい。多くの人は、まだクラシックに対して心理的なハードルを感じている。楽団は、社会に対して常にオープンでいる必要があるんです」、とも語る。
今秋には、病気療養中の小澤征爾の代演で、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を率いて再来日、ぜひ、ステージをナマで楽しみたい、21世紀クラシック・ルネッサンスを担う先鋭の一人だ。
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picture:Signum Classics and other