カウンティングの話 | 変な外人の日常

カウンティングの話

 仕事を終えた外人が、アニメの放送日であることを忘れてたとかで、オロオロしてました。結局見逃してしまったようです。

 ちなみに、今、外人のもっともお気に入りが「アイシールド21」というアメフトの漫画。私も、アメフトは嫌いじゃないのでコミックスは、一通り借りて読みました。でも、この漫画って、アニメでは使えない表現がたくさん出てくるんですよね。特に、QBの蛭魔の脅迫テクニックなんかは、テレビではNGでしょう。


 で、アメリカ遠征編の最後に、ラスベガスで2000万勝って、コーチの借金を返すというエピソードがあるんですが、恐らく、これもNGでしょう。高校生がギャンブルをやるシーンが、多分、引っかかるはずです。アニメ版は、そういうのに関係なく、かなり大胆なストーリーの改変をやっているそうなので、全然違う話に置き換わるものと思われます。ちなみに、このアニメ版の改変。周囲では極めて不評です。


 漫画版のストーリーでは、蛭魔(極悪だが天才的頭脳の持ち主)が、その頭脳を生かしてブラックジャックで「カウンティング」のテクニックを駆使して勝つというものでした。漫画内の説明では明らかにカウンティングを誤解してましたので、紹介しておきます。



 ブラックジャックは、引いたカードの合計が21に近い方が勝ちという、日本の「オイチョカブ」に近いゲームで、どこのカジノでも見かけるゲームです。あまり大勝ちも大負けも無く、比較的安全に長時間遊べるゲームとして人気があります。というのも、すでに確率論的に、もっとも勝率が高くなる行動パターンが分かっており、このパターン通りに行動した場合の返金額の期待値は、掛け金の99%余りになるからです。

 すっごく平たく言ってしまえば、100万円賭けると、99万円帰ってくるということです。って言われて、一発賭けする人はいないですよね念のため。


 ということは、やっぱりカジノが確実に勝てるようになっているわけですが、それでもブラックジャックで大勝をした人の話は無いわけではありません。リスクを伴う大勝負をせずに勝つには、99%という期待値を100%以上に上げてやる戦略やテクニックが必要なのです。そうして開発されたのが「カウンティング」です。これなら、リスクを負わずに、確実に勝ち続けられると言うわけです。


 すっごく大雑把に言うと、ある程度ゲームが進んで、デッキ(配られる前のカードの山)の枚数が減ってくると、どういうカードが残っているかによって、一時的にプレーヤーが有利になったり、不利になったりすることが分かっているため、これにあわせて賭け金の額を調節するというテクニックです。


 もっとも初歩的なカウンティングでは、使われたカードにハイカード(10、絵札、A)を見たら-1、ロウカード(2~6)なら+1と勘定して行き、+が上回るときは賭け金を増やし、-が多いようなら減らします。

 これがもっとも基本的なカウンティングになります。さらに、Aだけを別に数えたり、もっと細かく分けて数える方法もありますが、集中力を削りすぎると、長時間の勝負ができなくなりますので、結果的に勝ちが薄くなります。


 漫画では、すべてのカードを丸暗記するようなことを言ってますが、そこまでできたとしても、結局は「確率」の問題であり、100%の勝ちを保証されるわけではありません。さらに、カードカウンターがいると分かると、カジノ側が対策を打ってきます。ディーラーも同様のカウンティングは当然できますので(できなければ、できるディーラーと交代する)、たとえば、プレーヤー有利のカウントになった時点で、早めにカードを切り直すことで、カードカウンターに勝ち分を稼がせないようにできるのです。他の一般客はたまったもんじゃありませんね。


 カウンティングは、開発された1960年代に猛威を奮い、ボロ儲けをするプロギャンブラーが現れたため、様々対策をカジノ側が講じ、現在では大勝できるほどのテクニックでは無くなっています。仮に、このテクニックで勝っている人がいるならば、カウンティングを悟らせないためのカモフラージュが極めて巧妙な人物といえるでしょう。初期の頃は、カードカウンターはカウントを続けながら普通に賭け、良いカウントになったときに秘密のサインで仲間を呼び、大金を賭けさせるという手法が用いられました。男女のペアが多かったそうですが、当然、現在のカジノでは警戒されてますので、まず不可能でしょう。



 カウンティングはイカサマではありませんが、かように警戒され、嫌われていますので、マスターしたとしても、「トントンで遊び続ける」とか、「軽く小遣いを稼ぐ」程度に止め、間違っても「これで生活をしよう」などとは思わないことです。2000万なんて、漫画だからとしか言いようがないですね。決して、真に受けないで下さい。