「工事契約に関する会計基準及びその実務指針」


いわゆる国際的調和化・会計基準のコンバージェンスを進める観点から調整されることとなった基準。


この基準が適用される以前、長期請負工事に関する収益は、工事進行基準と工事完成基準の選択適用による形状が認められていた。この点、工事進行基準を原則的に採用する国際的な流れと衝突するポイントとして捉えられ、公表された経緯がある。


本基準の公表による実務界の影響は大きい。

工事契約に該当する限り、原則として工事進行基準の適用が強制されるためである。


適用に当たって最初のポイント、それは取引が工事契約に該当するものであるか否かという点になるだろう。

この定義(適用対象となる契約の範囲)については、本会計基準第30項に以下のように記載されている。



『仕事の完成に対して対価が支払われる請負契約のうち、基本的な仕様や作業内容を顧客の指図に基づいて行う工事契約』



一般的にいうところのカスタマイズ品であることが前提ということ。また、



『請負契約ではあっても専らサービスの提供を目的とする契約や、外形上は工事契約に類似する契約であっても、工事に係る労働サービスの提供そのものを目的とするような契約に関しては、本会計基準は適用されないことに留意する必要がある。』



とある。

すなわち、客先からの要望に基づく一定の成果物の完成及びその引渡しが必要であるとされている。成果物のない労働サービスのみを提供する契約は適用外であると規定される。


その一方、建設業の工事のみならず、造船や機械のカスタマイズ品も本基準の適用であると規定され、これまた悩ましい。基準上は以下の通り記載される。



『本会計基準でいう工事契約はこれよりも広く、造船や、基本的な仕様や作業内容について顧客の指図に基づいて行う機械装置の製造に係る契約も含んでいる。』



概念としては重複するが、上述したように、適用対象はカスタマイズ品に限定される旨の記載が続く。



『機械装置の製造であっても標準品を製造するような場合(特定の顧客からの受注であっても、あらかじめ主要な部分について仕様の定まったものを量産する場合には、これに含まれる。)には、たとえその付随的な部分について顧客に一定の選択が認められているようなときであっても、適用範囲に含まれないことに留意する必要がある。』



なお、受注制作のソフトウェアについても適用範囲である旨の記載があり、ソフトウェアについては「ソフトウェア取引の収益の会計処理に関する実務上の取り扱い」を別途参照しつつ、適用の可否を検討する必要がある。


この基準の入り口、対象となる契約に関しては、上記のようにまとめられる。企業は自社の事業活動が適用対象となるかをこのように判断した後、ようやく工事進行基準の適用フローへと進む。





次は監査等でチェックされうるポイントについて考えてみます。

工事進行基準の計算方法や留意点については、またその次かな。


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タイトルそのままに。


会計をツールとしてみるか、学問としてみるか、ただの基準として扱うか。

非常に難しいところだと思いますが、自分の勉強も兼ねて、いろいろと書いてみることにします。