アルコールと治安。


 なんだか、治安が悪くなりそうな題名ですね。


 ですが、実際にはその逆です。


 適度のアルコール消費は、社会を正常化する作用があります。


 たとえば、中世の城塞都市がろう城の時に蓄えるものが3つあります。


 武器、食料、そしてぶどう酒です。


 閉鎖され、ストレスの多い空間で酒は兵士の精神を支えるために必須でした。


 禁酒法などは最も誤った政策です。


 この場合は、社会のアルコール消費を抑えて、却ってギャングが暗躍するようになりました。


 アル・カポネなんかが、最も有名なギャングです。 


 机上の空論の枕詞に、【禁酒法】と言うこともあるとか。


 エジプトは、もっとも古くにビールを開発したといわれています。


 小麦をつぼに保管する。長い事忘れていたら、つぼの底に何かがたまっていた。

 のんでみるとサイコーだった!

 最初にのまされた人は、きっと罰ゲームだったんじゃないかと思いますが。


 小麦が名産の土地で、ビールが開発されるのは当たり前のことだったのかもしれませんね。

 ファラオはビールを禁じることはありませんでした。


 【食べ物】意味する象形文字が【ビールとパン】です。


 酒の歴史は人類の歴史。


 そんな言葉もありますが、酒の重要性をファラオは良く理解していたのかもしれません。

 半自動的な輸送、灌漑機能を備えたナイル川。


 しかし、自然である以上、人間に猛威をふるうことがあります。


 ナイルの水量が少なければ不作となり、氾濫が大きければ町が水浸しになる。


 国民の仕事や生活が破壊されたときにこそ、国家の出番です。


 ファラオの政策はピラミッド作りでした。


 ピラミッドを作ることで、国民が仕事をえることができました。

 また、建設技術が向上し、あらたな技術者を生み、雇用を作りました。

 ミイラ作りは医学の発展にも貢献したのです。


 ルーズベルトも世界大恐慌の時に、ニューディールを掲げました。 

 ダムを建設し、畑をあらたに作り、水力発電所も開発しました。


 一つずつの政策が複数の効果をもたらし、継続的に連鎖し続ける。

 

 ニューディールは歴史上に残る公共政策です。

 そして、エジプトのファラオは古代からうまく公共事業を使っていたようです。


 政治家としての評価も、当然のごとく高くて当然ですね。

 エジプトの王、ファラオ。


 現代においても、【王】として非常に高い評価がされています。


 民主主義の国で、独裁者たる【王】に良い評価などおかしい?


 そんなことはありません。


 むしろ、王政への正当な評価を欠いているのが日本かも知れません。


 王ではなく、国のリーダー。国主という視点で評価をしてみましょう。


 国主である王や皇帝、天子などの使命は古今東西にあまり違いはありません。


①国民を飢えさえないこと

②国民の宗教や思想を守ること。

③国民の安全を守ること。


 おおむねこの三つです。


 先に述べたように、ナイル川のおかげとはいえ①の条件はクリアーです。


 ファラオその人が神と同等であり、それに反する国民はいたでしょうけど、少数でした。

 というわけで、②もクリアー。


 運送の大動脈である河川に巨大な都市があり、港は湾状になっている。

 この形状は、攻めるに難しく、守るに有利な地形です。


 更に、ナイル川から遠ざかれば生きるに難しい砂漠が広がる。

 軍勢が陸路海路ともに攻め入るのが困難です。


 ①や②の条件を見たいしている国は、内乱や叛乱もありません。

 国主=神。あるいは神の代行者とする国では、権威が衰えない限りクーデターの危険も少ない。

 ③の条件もクリアーとなります。


 政教一致の体制が理想的に行われた少ない例がエジプトでした。

 国は安定しており、国民は王を敬愛し幸福を感じていた。

 

 多くのニヒリストやアンチ王政主義者がファラオに批判の声をあげてはいます。


 しかし、国主としての高い評価を崩すまでには至らないようですね。

 海運業が不況で国が傾いたギリシア。


 オリーブの産地であるギリシアですが、【オリーブの隙間に人が住むことを許された土地】


 そんな表現がされることがあります。


 つまり、主食となる小麦を育てるには向かない土地でした。


 主食となる食料をもとめて、海運業が発達していったギリシア。


 彼らが目指した土地がエジプトだったのです。


 そして、ナイル川には、半自動的に小麦畑ができる機能が備わっていました。


①地平線にシリウスという星が輝く


②ナイル川上流で雨季が訪れる


③豊かな水が、肥沃な腐葉土を運んでくる。


④ナイル川が氾濫するほどに、水が増える


⑤水が引いたあとは、小麦の栽培に使える土地が残る。


 ナイル川は運送だけではなく、畑の自動生成機能までついていました。

 更には、波が穏やかな地中海の向こうには小麦を熱望するギリシアがありました。


 エジプトとは、繁栄が約束された土地だったのですね。




エジプトを語るために、まずはナイル川について話しましょう。


地図を見れば分かりますが、ナイル川からに流れています。


この地方は、年中のほとんどを通して、からに風がふきつづける。


反対に川の流れは、南から北へと一定である。


つまり、川を下るときは流れにまかせ、川を上るときは帆を広げるだけでいい。


エスカレーター、いや平面ですから【歩く歩道】といったほうがいいのか。

河川の移動がとってもスムーズです。


・外海に通じる広大な河川。


これだけでも、高度な文明を築くには十分です。

ナイル川には、さらにその上に庶民にもお得な機能がありました。


エジプトは神様に愛された土地と、誰もが感じることができたでしょう。