「Function 7」 相場英雄 | When Poets Dreamed of Angels

When Poets Dreamed of Angels

変わらないものはない、終わらないものもない。だけど永遠につづくものがきっとある。そう信じていたい。

ファンクション7
ファンクション7 相場 英雄

講談社 2007-11-13
売り上げランキング : 79657

おすすめ平均 star
star隠居した父、成人を迎えた後輩にも薦めました
star次作を期待したくなる面白さ

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ダイヤモンド経済小説大賞の大賞受賞で
デビューを飾った相場英雄。

デビュー作の「デフォルト」は当時、
経済や金融に足を突っ込みはじめた
俺にとってすごく刺激的な本だった。
そしてすごく勉強になった。

次作の「株価操縦」も経済小説の面白さを
存分に表現したものだった。

そして待ちに待った第3作目の「Function 7」。
かなり厚い本だが、読み応えは十分にある。

このタイトルの意味がサッパリ分からないまま、
読み進めると、今までの相場英雄と
全く違うスタイルになっていた。

この作品は経済小説ではなかった。

幼い頃に北(朝鮮)と南(韓国)に
離ればなれになった家族との再会を夢見て、
南に渡った長男が壮大な計画で北を解放するストーリー。

この小説に書かれている情報は
ほとんどが最新のもので驚くばかり。
その中でも携帯電話がこの物語のキーとなっている。

ちなみにこの小説に出てくるようなケータイが出たら
ソッコーで買います。(;^_^A

ただ、最後に畳みかけるように北を解放する場面は
少しだけ無理があるかなと感じた。
もう少しじっくりと描いてもいいような気がした。

とはいえこの物語の一番の訴えどころは
家族の絆だということは間違いないだろう。
拉致問題、朝鮮戦争によって
離ればなれになってしまった家族達。
北朝鮮に限ったことではないが、
この小説がこうした問題の風化に一石を投じる
きっかけになって欲しい。


今回の作品で新境地を開いた相場英雄。
次回作が非常に楽しみだ。



本日の基準体重と差:-4.0Kg