不倫されたとき私は40歳で貯金ゼロでした。
独身時代の貯金は家を買うときに献上しました。
(それなのに家は100%夫名義
)
仕事を辞めてからはすべて夫名義で貯金してきました。
夫が稼いだお金だし、夫名義でも家族の財産だと思っていました。
でも不倫発覚と同時に、自分の立場を思い知らされました。
「あなたにあげるお金はそんなにないのよ」と義母に言われました。
とにかく自分のお金を貯めなくちゃ!
添削のアルバイトでいただく月数万円の報酬をすべて貯金し、
その後就職してからは財形貯蓄と信用金庫の積み立て貯金。
お給料は多くなくて、税金等を引いた手取りは15万円程度でした。
その中から財形貯蓄に10万円、積み立てを2万円で、手元には3万円しか残りませんでした。
年2回いただくボーナスからも10万円を財形で積み立てて、残りは貯金。
貯金は、通訳の学校の費用に充てました。
仕事はしていたけれど、スタンスは専業主婦です。
生活はすべて夫のお給料で賄っていましたから。
当時夫と彼女との関係がどうなっていたかはわかりませんが、夫はとにかくモラハラ全開で、
ちょっとでも家事に落ち度があると厳しい指摘(嫌み)がありました。
いつも不機嫌でした。
専業主婦だから、「疲れた」ということは許されませんでした。
夜、くたくたになってベッドに入ろうとすると背中や足のマッサージを求められました。
夫には決して逆らわず、言いつけられたことはすべて「はい」と言って従いました。
「臥薪嘗胆」「いつか見返してあげる」そう思いながら、菩薩のような顔で毎日を過ごしていました。
そのうち、夫が少しずつ変わっていきました。
私に冗談を言うようになりました。結婚25周年の時は、温泉旅行に誘ってくれました。
今の夫は不倫をする前のような優しい人に戻ったけれど、私のスタンスは変わりません。
自分を守ることができるのは自分だけだと思っています。
ここ数年で変わったのは、財形貯蓄を減らして積立NISAを始めたことかな。
子どもたちが大学を卒業して仕送りが要らなくなってからは、夫から頂く生活費の一部を自分名義で貯金しています。これはもしもの時のへそくりです。
「働いているのに専業主婦」というスタンスで14年。かなりしんどいことでしたが、貯金ゼロから始めて低収入でも経済的基盤をある程度作ることができました。
もし今離婚するとしたら、夫の資産を半分いただけますが、私の資産も半分夫に渡さなくてはなりません。(お互い親から受け継いだ遺産があるので、それは別として)頑張って貯めたお金を半分取られるなんて、身を切られるようにつらいことです![]()
そう思うと、自分が稼いだお金で家族を養い、子どもたちを学校に行かせてくれた夫の度量の大きさを感じます。感謝の念が自然にわいてきます。
私の稼いだお金で夫がゴルフに行ったり、旅行したりしたら??私の器ではムリです。
そんなわけで、「いつでも夫と別れられるように」資産形成に励んだのですが、夫を尊敬していますし、何事もなければこれからも一緒にいたいな、と思うのでした。