私たちが結婚したのは35年前の9月でした。
どこのご夫婦もそうでしょうが、いろいろなことがありました。
私にとって最大の事件は夫の不倫です。
あのとき夫婦を辞めても良かったと今でも思うくらいつらかった。
ほかの人を好きになってしまったのは仕方がない。
でも、私と別れてから彼女と付き合ってほしかった。
それがだめなら、ばれた時点で私か彼女か選んでほしかった。
水面下で関係を深めておいて、モラハラで私を潰して離婚しようとしたのは卑怯。
謝罪どころか何の報告もないまま今に至るのは納得できない。
でも35年の間にいいこともたくさんありました。
若いときは言葉による愛情表現をたくさんしてくれた。
子どもが小さい時も、ベビーシッターに預けて夫婦で食事や観劇に出かけた。
子どもたちと1週間コテージで休暇を過ごしたのは楽しかったなあ。
みんなで川沿いをサイクリングして遊んだ。
雪が降ったら夫の手作りのそりで遊んで子どもたちは大はしゃぎだった。
・・・子どもたちがらみのことがほとんどですが、夫婦としてもいい時はたくさんありました。
不倫をされたとき、「臥薪嘗胆」と思って耐えていました。
夫が60歳になったときに、彼女の連絡先が携帯に残っていたら離婚するつもりでした。
でも、家族のために長い間働いてきてくれた人に、そんなこと言い出せませんでした。
夫が彼女と一緒になりたかったのに、結局私たちを捨てられなかったのも同じだったのではないかしら。
夫婦って、好き嫌いだけでは割り切れない情があるんだと思います。
恋愛ホルモンは3,4年しか持たないそうですが、情は35年たってますます強くなるようです。