ある建築家の方が、「素材には腐敗素材と発酵(熟成)素材がある」と書いておられました。新品の時は美しいけれど時間をおくと汚くなってしまう素材と時間をかけて美しくなっていく素材。前者の代表はプラスチックで、後者はテラコッタや木材ですね。

 

この歳まで生きてくると、人もまた腐敗する人と熟成する人がいるな、と思うのです。ここでは外見のことを言っていますが、外見が中身の影響を受けて歳とともに変化していきます。腐敗する人もいれば熟成する人もいる。若いときに素敵だった方が輝きを失っているのを見るのは悲しいですね。逆に変わらず魅力的な方や、若い頃より今の方が魅力的だと言う人も。こういう熟成素材の人に憧れます。

 

私の思う熟成タイプの方をご紹介します。

 

ハンガリーのピアニスト、デジュー・ラーンキ。1951年生まれで今年70歳になる方ですが、1970年代後半は若き天才ピアニストとしてアイドルのような人気でした。

 

何しろこの容姿です。

画像は全てネットでお借りしたものです。

 

 

来日公演には女の子が花束を抱えて取り巻いたとのこと。でもそれに浮かれる感じは全くなく淡々と演奏していた姿がまた素敵でした。彼はファンの熱狂ぶりには一切関心がなかったと語っていたインタビュー記事(ブログ)を拝見しました。若くして自分軸を持った人だったのですね。

 

 

ベルリンの壁崩壊後の激動の時代を彼はどう生き抜いたのでしょう。

2015年、還暦を過ぎたラーンキはやはり熟成された美しさを湛えた人でした。

若いときにもてはやされて、その後ダメになってしまう人もいますが、彼は今でもハンガリーを代表するピアニストで、奥様も息子さんもピアニストです。

奥様との共演がこちら。

 

熟成素材の方は見ていてピンときます。ざっくばらんな方でも品格があって、人の言葉に左右されません。夫はどうかな?不倫をしていた頃の彼は腐敗素材でしたけど、今はいい感じに熟成しつつある。。かな?