(過去のお話です。)
父は日頃から何でも思い通りにする人で、
我慢などとは無縁の人でした。
施設なんか絶対に抵抗するだろうし
病気になったら不平や癇癪が多いだろうと
家族は心配していましたが、
事実はその逆でした。
身体が徐々に動かなくなっても
それを淡々と受け入れ
痛いとかつらいとか
言葉にすることもありませんでした。
施設では「笑顔が素敵な○○さん」と
愛されおじいちゃんキャラでした。
最期まで我慢強く、穏やかに過ごしていました。
やりたいことをやり尽くしたから
我慢しないで思うとおりに生きたから
最後は悟りを開いた人のように
穏やかになれたのではないかと思います。
私は日頃から我慢強い方なので、
年をとり病気になって抑制がきかなくなったら
ものすごく嫌なおばあちゃんになりそうで
怖くなりました。
女優さんで、若い頃奔放だった人が
素敵な中年になったりする例もありますね。
宮沢りえさんとか、原田美枝子さんとか。
我慢していいことはない、
自分の思いを通した方がいい老後を迎えられる。
父の最晩年を見ていてそう思いました。
また、父が亡くなり、母がひとりになって
もし私が実家に帰ったら
家族は喜んでくれたりして?
そんなことも思い始めていました。