(過去のお話の続きです。)

 

「私は1日も忘れたことはないの。毎日あの日のことを思い出すのよ。」

 

O

「だからこっちは何のことだか思い出せないんだよ。もう話にならん。」

 

Oはそのまま黙ってテレビを見始めました。

 

私も黙って寝室に行き、たたんであった段ボールを組み立てはじめました。

次男がこちらに帰ってくるときに使った引っ越し用の段ボールを取っておいたのです。

クローゼットをあけて、自分の衣類を詰めていきました。

ハンドバッグもいくつか選んで入れました。

 

しばらくして、Oが突然寝室に入ってきて、私の腕をつかんで

「もう、finはしょうがないなあ。やめなさい」と言って私を羽交い絞めにしました。

 

O

「finは何をやっているんだよ。どこに行こうとしているんだよ。

彼女のことなんて本当に何とも思っていないよ。あんなの一時の気の迷いでしょ。もう顔も思い出せないよ。」

 

「あの日ホテルに彼女と私がいて、あなたは彼女のところで寝ることを選んだの。私は一睡もできなかった。妻の私がいるのに彼女のところに行くなんておかしい。」

 

O

「うん。」

 

「私はあの時のことも、それからのことも一度も謝罪されたことがない。それどころか、『finの立場は強いんだよ。それにひきかえ彼女の立場を考えてごらんよ。本当に弱い立場なんだよ。少しは彼女を思いやれよ』tって言われた。」

 

O

「今謝る。ごめんなさい。俺が悪かった。」(軽い!)

 

「少しは後悔しているの?」

 

O

「してるしてる。本当に後悔してるよ。」(軽い!!)

 

「じゃあ、あの日に戻ったら、ちゃんと私を選べるの?」

 

O

「選ぶ選ぶ選ぶ。当たり前でしょ。」(軽い!!!)

 

しばらくこんな押し問答をした挙句、

 

「私がパートナーでいいのか考えたいって言っていたのはどうなったの?

まだ結論を聞いていないけど。」

 

O

「だ・か・ら、そんなの覚えていない。俺はfinと生きていくって決めている。」

(「だ・か・ら」の意味が分からない)

 

私はふっと力が抜けました。考えてみたら家を出ても行く当てもない。

準備が足りなかったか。。。

 

Oは、段ボールを空にして再びたたみ

「お願いだからもうこんなことはやめようね。fin、コーヒー淹れて。」

といって寝室を出ていきました。

 

一応謝罪はもらったけど、たまこさんの連絡先は未だに持っていて

消す意思がないことがわかりました。

 

納得はできないけれど、そのころ実家の父の具合が悪くなったこともあり

この件はいったんうやむやになってしまいました。