(過去のお話です。)
Oとマルと私、2人と1匹の生活は淡々としたものでした。
平日は私がお散歩担当で、週末はOが行ってくれました。
ときどきマルを車に乗せて近所の緑地にでかけました。
愛犬と散歩する仲の良い夫婦みたいに見えていたでしょう。
子どもたちが家を出て、今度はマルが私たちが一緒に住む理由になりました。
仲が悪いわけではなかったのです。
Oが機嫌がいいときはマルの話や子どもたちの話をすることもありました。
いつも一緒のベッドに寝ていました。
でも私はOが怖かった。
OがというよりOを怒らせるのが怖かった。
Oが上機嫌なときは私も笑顔でいるようにして
Oが言うことはすべて肯定しました。
確実にOが不機嫌になるのは、私が夜や週末に外出することでした。
私はそれでも果敢に出かけるのですが
帰宅するときにOがどんな風なのか、びくびくしながらドアをあけました。
帰ったときの挨拶は「ただいま帰りました」ではなく「すみませんでした」です。
Oは「おかえり」と言ってくれる時もあれば黙っているときもありました。
「おかえり」と言われたらほっとしました。
Oのお母さんに「たまこさんは結婚したみたいで、Oさんからも離婚の話はありません」
というと、
「よかった。本当によかったわ」と喜んでくださったのですが
「Oには感謝しかないわね!」と言われて
まあ、家族を捨てないでくれたことは感謝するけど
「感謝しかない」わけじゃないなあ、と思いながら「はい・・・」と答えました。
この家の人たちは「一寸のサレ妻」に魂(心、感情)があると思っていないんだろうな。
生活の安定が守れればそれで満足だと思っているんだろうな。
でも家庭という密室にいると、Oのお母さんが正しくて、
傷ついている私がおかしいのかなと思ってしまっていたのでした。