TVドラマ「東京スカーレット~警視庁NS係」 | フィルム小僧のブログ

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タイトルにあるスカーレットは情熱の赤。捜査一課の刑事だけが付けることを許されるバッジの色を表している。警視庁捜査一課にベテラン女性刑事を係長に戴く新セクション“NS係”が誕生したという架空の係が舞台で、ドラマ全体を包むテーマはオリンピックに向けて変貌する東京という町です。テレビドラマも不慣れで刑事物も初めてなのに連続テレビドラマのお仕事を頂き、貴重な機会を楽しみながら全9話を古長君と二人で担当しています。
この仕事が決まってから各局の刑事ドラマを見てみると、沢山の刑事ドラマがある事から切磋琢磨され表現や技術的にもレベルが高く、色々な切り口の撮影手法がチャレンジされている事が感じられた。撮影時の収録も24P、30P、60i等の選択も出来ると思っていたが、結局テレビでは標準の60iの収録になった。画面が生々しく未だにこの方式に慣れないでいる。
全体的なトーンは女性が主人公のため、絞りを開けたソフトなイメージで、キャメラの輪郭補正もオフにしている。色調的には夏の暑さを強調するために赤黄色を多めにだした上で、顔のシャドー部分を抑えすぎないように気を配った。アクティブな感じを出すために話題の防振装置のモビやグラビティワン、ステディカム等もテストをしたが、一日の撮影すべきカット数の多さからいずれも断念し、従来通りの移動車とジブで処理した。
 主人公を演じる水川あさみさん、頑張りも相当あるが何といっても人懐っこさが良い。キャストもスタッフもその人柄に現場でも楽しく仕事をさせて頂いてる。ヒットさせたいドラマです。

監督:近藤俊明 森本浩史
撮影:古長真也 3.4.7.8話
照明:吉角荘介