下眼瞼のくぼみ(Tear trough)の治療で、ヒアルロン酸を皮下の浅いところに注入してしまうと、注入直後はちょうど良くても、1~2か月経過してから注入したヒアルロン酸が過剰に膨らんでしまうことが多々あります。
ヒアルロン酸には水を吸う性質があり(吸湿性)、皮下の深いところであればさほど問題にはならないのですが、眼の下ですと予期せぬ膨らみになってしまうことも・・・。
そのうち溶けるだろう・・・と思っていても、なかなか元に戻らないことがあります。ヒアルロン酸は吸収性ということになっていますが、実際は必ずしもそうでもなく、部位によって半永久的に残存してしまうことがあるのです・・・。
そういう場合は、ヒアルロニダーゼというヒアルロン酸分解酵素を注射して、一旦ヒアルロン酸を溶かしてから、新たに注入し直す必要があります。
こちらの方は、ご来院時、眼の下が他院で注入したヒアルロン酸で過剰に膨らみすぎた状態でした。ヒアルロン酸を皮膚の薄い、浅いところに注入すると、注入したヒアルロン酸が透けて青っぽくみえてしまいます。(チンダル現象といい、湖や海の水面が青く見えるのと同じ。)
一旦、ヒアルロニダーゼで溶解すると、注入して膨らんでいたヒアルロン酸が溶けて、もともと気になっていた眼の下のくぼみ(Tear trough)が現れます。
Tear troughへの注入は、もっと深いところにヒアルロン酸を注入する・・・のですが、その場合浅いところのくぼみが修正しきれない場合があるので、(とはいえ、Tear troughは若い人でもあるものなので、完全に消す必要はないのですが。)このケースはベビーコラーゲンを使用して、修正しました。
ちょうど良い仕上がりで、患者様にはご納得いただきました。
他院での注入後修正のご相談は多いのですが、当院で溶解させていただく場合、30,000円の費用が掛かってしまいます。できれば注入したクリニックで不具合を訴え、(無料で)溶かしてもらってからご来院いただくのがよろしいかと思いますが・・・、中には全然仕上がりに不具合のないケースで、ご相談に来られる場合もあります。めっちゃいい仕上がりやんどう見てもおかしくないよ?というケースでも、不満を訴えてご来院されるケースも少なからず
。・・・これで満足してもらえないと、かなり厳しいなあ~と思ったりもしますが
、客観的に見て仕上がりに不具合がない場合は、そのようなご希望には応じてもらえないと思いますので、念のため
・・・。