こちらのブログは、いわきクリニック形成外科・皮フ科 院長 岩城 佳津美 がお届けするフィラー注入専用のブログです。当院はフィラー注入ご希望の患者様が大変多く、全国からご来院いただいております。またフィラー注入に関連した医師向けの講演・指導・学会発表・書籍の執筆なども多数おこなっています。フィラー注入に関して基本的なところから症例まで分かりやすく、幅広い内容を伝えしてゆければと思っております。(今までブログに書いてきた内容も少しずつこちらに移動させていただく予定です。)

 

こっちのブログ長らく放置しておりましたね、すみません汗

 

9月末に札幌で開催された美容外科学会のビデオパネルで発表した内容を数回に分けて、一般の方にも分かりやすくご紹介してゆきます。

 

鼻唇溝・マリオネットラインの治療について

 

鼻唇溝というのは医学用語で、一般的には法令線と呼ばれていますね。なので、ここでは分かりやすく法令線と書くことにします。

 

法令線、マリオネットラインが気になるという方は非常に多いです。法令線、マリオネットラインのフィラー治療と言えば、古典的なのは、シワの下に(凹んだところ)フィラーを注入する、という手法です。要するに、溝の埋め立て工事ですね。

 

それも有効な治療手段のひとつではありますが・・・

 

なぜ法令線やマリオネットラインが、深く目立つようになってくるのか?ということを考えねばなりません。

 

問題をスムーズに解決するには、根本的な原因を突き止め、それを取り除かなければなりません。とりあえず、目の前の問題だけの応急処置ではいけないということです真顔

(とりあえずシワをフィラーで埋めちゃうことは、原因を解明せずに応急処置だけをしているのと同じですね汗。)

 

まず、法令線が深くなってゆく原因ですが、当然一つではなく複数の要因があります。

主要な原因を5つ挙げましたが、これだけではありません。顔面の加齢変化はとっても複雑なんですあせる。要は、頬の部分がたるんで法令線に被さってくる・・・感じです。そして法令線の根元のところ(鼻の付け根)は、骨吸収によって骨が委縮しやすい部位でもあるので、余計に法令線が凹んでしまうのです。

 

マリオネットラインは?というと少し複雑なのですが・・・

 

ちょっと分かりにくいですね滝汗。まあなんとなくイメージをつかんでください。要するに、マリオネットラインも局所が凹むのではなくて、周辺がたるんでずり落ちるために、深くなってゆくのです。

 

人間の顔って水平ではありません。重力というものが上から加わります。したがって、加齢と共に顔面上部から軟部組織が下へ下へずり落ちてきます。それだけでなく、隣接する組織からの二次的変化も加わるため、大変ですあせる

顔が水平ならば、シワは局所の問題となりますが、このように重力によって上から組織がずり落ちてシワが深くなります。さらには、周辺からの二次的な影響も加わってきます。

水平な溝ならば単純にフィラーで溝を埋めればよいのですが、後者の場合はそこをフィラーで埋めても、自然な形状が得られにくいのです。

 

(注:シワが浅い、たるみの程度が少ないなど、症例によってはシワの埋め立てだけでも十分有効な場合も多々あります。)

 

ではどうすれば、自然な法令線、マリオネットラインの改善が得られるのか?ということについて述べてゆきます。(次回に続く。)