「キングダム2」

主人公二人は「シン」と「エイ(始皇帝)」。

大沢たかおの謎の将軍は「王騎」。

謎の女剣士は「キョウカイ」。

登場人物がどんどん増えるので

主要な人物の名前くらいは憶えておきます。

どうか100話以上映画化されて

ギネスに載ってください。

 

「キングダム」という物語を

深く知るにつけ、

2つの名作漫画を思い浮かべます。

「日出処の天子」「ファラオの墓」。

 

2つとも、時代が時代なら

もっと社会的に評価されていた、

と思っております。

「ファラオの墓」は、

絵柄の古さもあるし、

「少女漫画」としてのカテゴリーで

描かないといけないということで

制約も多かったとも感じます。

が、

この漫画を契機に

「少女漫画自体が

従来の制約や

枠組みを乗り越えることができた」

とも感じます。

「日出処の天子」は、

あらすじをネタバレされた後でも

読みたくなるような内容、

そして絵柄の美しさです。

 

現代人の美人というのは、

「目が大きいとか

顔もほっそりしている」

というのが条件ですが、

山岸さんの歴史ものは、

細い目とふっくらした下あごの、

奈良・飛鳥時代の

「美人」を

美しく描いているのも

素晴らしいと感じます。

 

三作で共通なのは

「歴史」「権力闘争」「戦争」

です。

大河ドラマも同様ですよね。

動物としての本能がなせるのか、

「強者の頂点に立つ話」

というものは面白いです。

 

そして三作に共通していたのは、

「敗者」がキチンと描かれているとことですね。

「キングダム」は

戦いそのものが丁寧に描かれているので、

自然にそれが可能になっていたと

感じます。

 

「キングダム」の主人公は

本能型、というより「蛮勇型」だけど、

「ファラオの墓」の主人公・サリオキスは

戦略型なのもおもしろいですね。

「日出処の天子」厩戸皇子は、

弓はうまいが

白兵戦では弱そう、

あの容姿ですから。。

けど、ズルい方法で

最小の腕力で

敵を討つのも面白すぎる。

・・・

「ファラオ・・」の方は

「悲恋漫画」と

評されることもありますが、

国と国との争いに

左右され翻弄される女性たちが

うまく描けていると思います。

 

アンケスエン姫は頭脳明晰で

自分がどう動けば最善なのか、

いつも考え、発言し、行動できる女性

なのですが、

それでも「女性の生き方」からは

脱することができなかった。

 

別の話ですが、

エジプト実在の女王・ハトシュプストが

「女性」という枠組みを乗り越え、

統治者として生きたことが

いかに大変だったかが理解できます。

 

戦争というものは、

死んだ者よりも

生き残った者たち、

特に、

生き残った女性たちが

いかにアイデンティティイを確立し

生き延びてゆくかが

地獄であるのです。

 

歴史の中で「敗者」「弱者」は

記述されません。

・・・

「日出処・・」の最新版が発行されましたが、

(重い。分厚い)

一巻が「おじさんたちの権力闘争」

二巻では、

権力闘争の犠牲になる女性たちが

描かれてゆきます。

 

トジコノイツラメが、

年端もいかないうちに、

「敵一族に嫁いだ女の、敵一族の娘」という理由で

母親の実家一族数人からレイプされ、

妊娠して、川に入って自分で流産した、

という話は悲しいです。

そもそも、

母親が嫁いできたのだって、

政略結婚だし、

勝手に敵対し

武力行使したのは

女性たちではない。

トジコのイツラメは、

父親から

政略結婚のために

大王に嫁ぐよう言われ、

自殺未遂をします。

 

知らないこととはいえ、

そういう心と身体の傷を持つ娘を

そんなふうに使うなんて、

封建時代の男親ってひどい・・

と思いました。

昭和以前の日本(世界でも)

では、男性はたくさん妻がいるので、

その子どもたちも

道具としか感じられないのだとも

思いました。

ズボシじゃないの?

・・・

「合戦」「闘争」「戦争」がテーマな話は

主人公たちの「強さ」「作戦の巧妙さ」

「人心の操り方」の面白さが

主要な目的とはなりますが、

「日出処の・・」は

笠村メソッドの

「不幸な男は母親を憎んでいる」

をズバリと説明していて、

「ふむふむ」とも感じました。

さすが山岸凉子。

 

ラストで、もうひとりの主人公・

毛人(エミシ)が

「わたしたちは二人なら

何でも実現できる、天変地異までも。

しかし、二人とも男なのは、

その力は 人として

許されてない力だから、

二つに分かれ、一つにはなりえない。

女性を無視して

行使してはならない力だから」

と厩戸皇子を拒否する。

 

普通だと、

「二人でどこまでも」

となるのだけどね。

力に有頂天にならないラストは

どの歴史漫画にもないだろう。

 

漫画「日出処の天子」を一口で説明するに、

「和をもって貴しとなせなかった物語」

というのがなるほどです。

 

なにせ、「鬼子母神」の作者・山岸凉子なので、

「日出処の天子」、

厩戸皇子(聖徳太子)の話が

モヤモヤするもので

あることは予想がつきます。

 

「キングダム」でなくて

違う漫画の説明になってしまいましたが、

「キングダム」はまだまだ

序の口です。

これからどんな物語が展開するのか?

ワクワクですね。

・・・

 

ふりがながついているのでわかりやすいかもです。漫画版。

【キングダム】将軍一覧・登場人物一覧!各国のキャラクター一覧も掲載! | 世界一わかりやすい三国志キングダムの登場人物を一覧にしてまとめました。キングダムは人物が非常に多くしかも突然再登場することもあるため把握することが困難だと思います各国の人物を将軍ごと部隊ごとに分けています。人物が多いので一気には更新できませんが少しずつでも更新していきます。メインの人物から書いていきその後サブを書いていきたいと思います。リンクsekaiiti-sangokushi.com

実写版。登場人物とハイライト。

 

「ファラオの墓」の

キャストの漫画版がないので、

モー娘が演じた、演劇版「ファラオの墓」

についてブログがあったので、

貼ります。

漫画の絵もついているので

イメージし易いかと思います。

アンケスエン姫は、漫画版よりも

イメージがぴったりな方が

演じておられますね。

 

おまけですが、

女王・ハトシェプストを描いた漫画。

 

 

歴史「日出処の天子」これも学習マンガだ!「すごいマンガ」には、嘘を本当だと思わせてしまう力がある。聖徳太子が超能力者であったという設定が絶対に嘘であるということを頭では理解しながらも、作品を読んでいると、ここに描かれていることこそが真実だったのではないかと思わせてしまうような魅力にあふれている作品だ。また、山岸凉子さんの作品の素晴らしさは、背景などの描き込み量が多いわけではないのに、なぜか、作品を…リンクgakushumanga.jp