中国で「細菌部隊」として暗躍した

「石井部隊」についてと

その凄惨な実態について書いた

「悪魔の飽食」の筆者・森村誠一さんが

亡くなられました。

冥福をお祈りします。

訃報についてのニュースでは

「悪魔の飽食」については触れられなかった。

そこには意図があったのだろうか?

 

まるで呼応するかのように、

「国立公文書館が731部隊の名簿開示」

について知らせるアメブロがありました。

 

旧日本軍の悪行や

戦争中の日本側の「加害」

については

誰もが隠蔽や

「なかったこと」に

しがちです。けれど、

日本の公文書が

開示されたのは、

加害に向き合おうとする国民が、

日本にも存在していたことの

証明でしょう。

 

731部隊について、

私も森村氏追悼のために

再録します。

。。。

2022年12月30日、

NHKスペシャルで

「未解決事件・帝銀事件」の放映がありました。

 

きのうと前・後編2回に分けて、

前編はドラマで再現、今日は

残された映像と取材記録、証言を使い、

ドキュメンタリーとして放送されました。

 

銀行員とその家族、

子どもも含めて毒殺したとされる「容疑者」は

死刑判決を受け、

冤罪を訴えた再審請求中に

刑務所で亡くなった。

 

しかし、

警察は別の「真犯人」にたどり着いていたのだ。

当時の警察は

GHQからの圧力で

真犯人を逮捕しなかった。

マスコミも

真犯人についての報道が差し止められた。

 

現在の日本でも、

旧日本軍と日本国の犯した「戦争犯罪」に相当すること=

必要ない虐殺や性暴力についてや、

植民地政策について、

報道することはできない。

戦争中のことを伝えるとしたら

「日本人の被害だけ」

 

加害について報道しようものなら

「NHKは共産党だ、左翼だ、非国民だ、売国奴だ」

という抗議?と脅迫が来る。

 

けれど、

NHKのジャーナリスト魂を感じた

今回のNスペ。

 

「未解決事件」という切り口で

「戦争中の加害」を伝えたことだ。

 

帝銀事件の真犯人は

細菌部隊の731所属の憲兵らしい。

けれど、

GHQがマスコミに圧力をかけた理由は

731部隊の人体実験の資料が欲しかったから。

 

731部隊は、中国やソビエト攻撃のための

細菌兵器兵器の研究をしていた。

実験材料になったのは、

ソビエトや中国の捕虜たち。

ソビエトの「反乱分子」として逮捕・拘留された

女性たち。

シンガポールや東南アジアの人々だ。

 

その証言記録文書が

番組内で伝えられた。

帝銀事件を追っている 現代アメリカのジャーナリスト、

当時のGHQ所属の90代男性のインタビュー映像、

人体実験による虐殺は真実だ。

 

犠牲者は日本人もだ。

実験には、十代の少年兵も手伝わされた。

防護服もないわけだから、

感染して亡くなった人も多数。

(「731 石井四郎と細菌部隊の闇を暴く」に書かれています)

戦争が終わってからも

心を病む兵士もいた。

その凄惨な実験の様子は、

森村誠一氏の「悪魔の飽食」で描かれている。

 

GHQに守られた「真犯人」は天寿で亡くなり、

憎まれもせず、

 

冤罪をかけられた人とその家族だけに

憎しみが集まった。

 

人体実験という虐殺と

日本人の少年兵も感染死させた部隊と

石井所長は

GHQから無罪放免され、

残党はミドリ十字という製薬会社を作った。

その会社は、感染したAID血液製剤で

「薬害」事件を起こした。

 

731部隊のことを

またここで

伝えるきっかけとなったNHKスペシャル。

勇気に感謝したい。