2022年9月28日 — 

こんにちは、署名発起人のTHYME卜田素代香です。

今回の署名について、

先日9/16(金)に内閣府、

厚生労働省、

法務省、

国家公安委員会(警察庁)宛てに提出をしてまいりました。

 

改めて、みなさまのご賛同、サポートに心より感謝いたします。

コメントもいただいた方、ありがとうございます。

みなさまからのコメントが、問題を言語化するための更なる力になりました。

 

今回は1時間半に渡り、

省庁の方とお話する時間をいただき大変有難い機会でした。

 

性暴力の証拠保全体制に関する各省庁の認識について、

 

得られた回答の中から特に重要だと考える内容を3つ以下に共有いたします。

長い内容になってしまうため、

さらに詳細の内容や回答については、THYME Webサイトの記事で公開しております。

 

1.証拠保全体制の地域格差に関する認識と実態調査を求めたことに関して(内閣府からの回答)

内閣府でもワンストップセンターの支援状況について調査を行っているので、引き続き項目を検討したい。

 

2.証拠保全体制に関わる予算編成について(内閣府からの回答)

証拠保全や急性期にかかった医療費は

、各自治体に割り振られている交付金を利用できるようにしている。

令和4年度の予算概算要求では4.6億円で提出している(※参考 概算要求のため、ここからさらに少なくなる可能性がある。令和2年度の実際の予算は2.8億円)。

各医療機関への啓発パンフレット等も、

その交付金を利用してもらうのがよいと考えている。

 

→この4.6億円は、52のセンターで割った額(1センターあたり年間約880万円)が各センターに割り当てられ、

その中から被害者の医療費、

啓発のための費用、センターの運営費、

人件費に使われるという認識で合っているか?(THYME質問)

 

→割り当ては人口等も鑑みて各センターに均等に割り振っているわけではないが、そのような認識で合っている

 

→1センターあたりの年間予算としてはまだまだ少ないと考えるので、被害実態を把握してより充実した支援が必要と認識してもらいたい(THYME要望)

 

3.保全した証拠の「証拠能力」や証拠として扱うための制度について(法務省、警察庁からの回答)

証拠については、

マニュアルに沿って適切なかたちで採取されたものであれば採用される。

「警察に申告のうえで採取された証拠かどうかは証拠能力に影響しない」

(警察に申告のうえで採取された証拠であっても

不完全なものであれば裁判で争うことになるのは変わらず、

警察に申告していないことを理由に

証拠能力が弱くなるということはない)と

回答がありました。

 

これは非常に重要です。THYMEが行ったアンケートでは、

証拠保全体制が進まない理由として、

「証拠として採用するための制度がないから」との回答も複数の自治体からありました。

 

ですがこれは回答と照らし合わせると制度解釈の誤りといえるかもしれません。

制度がなくても

証拠能力には問題がないとの省庁からの回答を

、自治体にも共有をしたく存じます。

 

警察に申告する前段階での「早期の証拠保全」については、

警察庁が2016年に主導で通達をし、

自治体に証拠保全キットの配布を進めています。このことについて、

「現在の達成率はどのくらいか」

「いつまでに体制をととのえるという目標は設定しているか」と質問をしました。

 

警察庁からは

「現在42の自治体に協力医療機関があり

証拠保全キットを配布している

(協力医療機関があるといっても都道府県内に1つというケースもあります)。

引き続き、協力医療機関を増やせるように取り組みたい。

いつまでにというような目標は定めていない状況。

残り5の自治体についてはお伝えはできない」と回答がありました。

しかし、

THYMEが行ったアンケートだけでも9の自治体が

「警察に申告がないと証拠保全ができない」と回答しており、

警察庁の認識と現場の認識に違いがある可能性が浮き彫りになりました。

 

当事者が警察に被害申告をした際の対応については

「これまでも何度も被害者の意思を尊重した対応をするよう通達をしている

。被害届の受理についても、

被害者から申告が遭った場合は原則受理するよう通達をしている」

と回答がありました。こちらも、

まだまだ被害届を受理されなかったという声もあり、

現場に浸透していない問題を感じました。

 

また、今回の要望書提出には日本共産党の

・本村伸子衆院議員
・仁比聡平参院議員
・山添拓参院議員

が出席くださいました。

各省庁からの回答について、さらに追及をしてくださいました。

 

「被害当事者が自らアンケート調査まで行い

、内容としても説得力のあるもの。

内閣府としても調査はできるだろう」と意見くださり、

省庁の担当者の方から「きちんと持ち帰る」との回答を引き出してくださいました。

また、

「今回の要請を極めて重いものと捉えている。

被害当事者からここまでの要請が出てくる状況を放置してはいけない。

引き続き対応を続けていくといっても、

現場で被害者から見えている景色は

このように酷いものなのが現状。

 

今回の要請をどのように捉えているのか

一人ひとり言葉にしてほしい」と言ってくださり

、回答に加えて各担当者からの意見を引き出してくださいました。

THYMEとして嬉しかった点は、

内閣府のご担当者の方が

「元々THYMEの活動を認知していた」とおっしゃっていたことです。

 

政策に関わる方が認知していることは大きいと思います。

今後に向けての繋がりもできたのではないかと考えています。

 

今回の要望書・署名提出は提出してすっきりするためのものではなく、

課題の認知してもらうためのスタートなので、

今後も動きを見ながらアプローチをします。

引き続き、THYMEの活動を見てくださると嬉しいです。


THYME
卜田素代香 松本あすみ


以下、取材くださったメディアと記事一覧です。

性暴力に関する報道において、

きちんと取材ルールを遵守し、

センセーショナルな被害内容ではなく

法制度の課題に関心を持ってくださったメディアの方々、ありがとうございます。


しんぶん赤旗:性暴力被害 警察に行かなくても証拠残せる仕組みを 当事者ら署名提出

西日本新聞:記事準備中

弁護士ドットコムニュース:性暴力被害の証拠「警察に行けなくても残せる体制を」被害当事者が訴え、ネット署名提出

毎日新聞:性暴力被害者が要望書と署名提出 「証拠保全」拡充訴え

NHK:性犯罪の証拠保全できる体制強化を 被害者支援団体が署名提出

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