「世界の書棚から」第21回「知られざるアルゼンチンの絵本の魅力part-2」リポート
講演会シリーズ「世界の書棚から」第21回「知られざるアルゼンチンの絵本の魅力 part-2」に行ってきました(2024.2.10)@板橋区立中央図書館
2022年7月のアルゼンチンの第1回に続き 第21回「世界の書棚から」は ふたたびアルゼンチンでした!
マテ茶のセット
この日は スペイン語の絵本の読み聞かせに適した絵本が何冊か見つかり その場にいらしたアルゼンチン大使館の方に いきなりスペイン語で自己紹介したり😲 ←イタリア語混じりで(笑)
アルゼンチンのインフレ率は200%を越えるそうです😲
そんな中 出版業界も大変です コロナ禍もあり電子ブックも増えてきているそうです
生活防衛の点でも お金は貯めていてもどんどん価値が下がるのでモノや体験にどんどん使って生き延びるしかないというお話に 考えさせられました...
まずは アルゼンチンの紹介から
1810年にスペインから独立したアルゼンチンは 移民が作った多様性の国です
書店について:
2023年3月4日は「書店の日(día de las Llibrerías)」で 民政移管40周年記念イベントも行われました 書籍を一定価格で販売する書籍取引保護法の廃止に対する反対運動もあるとのこと
また 英ガーディアン紙の「世界で最も美しい書店」で第2位になったというEl Ateneo という書店もご紹介いただきました
また libreria del Avira は 1785年に創立された南米最古の書店のひとつで 当時フランスから届いたフランス革命の本を読んだ人々に アルゼンチン独立運動に対する影響を与えたのだそうです😲
Eterna Cadencia ここは2008年にできた ブティックのような本屋さんです
Te llamaré viernesは 2023年にできた 本📚とワイン🍷のコンビネーションがステキな本屋さんです
Verne Libros 世界の本の初版等貴重なものがあり アートの様に本を扱うお店です
アルゼンチンの児童書
2024年のボローニャ絵本原画展に入賞されたアルゼンチンのイラストレーターは Diego Bianchi Joaquin Camp Yael Frankel Mariana Ruiz Johnsonの4名です
アルゼンチンの出版社について:
pequeño editor ここは日本の浦島太郎や ロシア カナダの同様のテーマの民話を収めたCuentos del Globoという本を出しています ちょっと不気味な絵がなんともいえないです😊
Editorial Limonero 2014年にできました
上記のYael Frankel の「Todo lo que pasó antes de que llegaras(君が生まれる前に起きたすべてのこと)」を出しています これは 子どもの視点とタッチで 生まれてくる赤ん坊についての気持ちを表した本です
イラストレーターについて:
Nico Lassalle の『Una niña con un Lápiz(鉛筆をもった少女) 』
Claudia Legnazziの 『Una casa bien abierta(ひらかれた家)』 この立体的な表紙がなんとも💕
Nicolás Schuff と Martina Trachの 『vida de un lápiz(鉛筆の一生)』 鉛筆画の魅力満載ですね
Nela Gatica の 『Yanay(シャナイ)』は ボリビアの移民とみられる7歳の少女のお話です
また 宇野和美さんが再話された 『Relato wichi(火をぬすんだウサギ)』は Pablo Picykがイラストを描かれた ウィチ族のお話です
アルゼンチンの児童書
アルゼンチンのブックフェアについて:
ブエノスアイレス国際ブックフェア(La Feria Internacional del Libro de Buenos Aires) 2024.4.25~5.13に第48回が開催されます ラテンアメリカ最大級のブックフェアとのこと
第1回は1975年に開かれました(1976~1983年は軍事政権下) それ以前は広場や公園に本屋さんがスタンドを出していました
児童書ブックフェア(La Feria del Libro Infantil y Juvenil)
7月に第32回が開かれます 入場無料 Kirchner文化センターで開催され アルゼンチンホールでは子供たちのためのイベントが開かれます
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出版統計について
出版部数が減っているので 出版点数は同じでも単価が高くなってしまうのですね なので古本業界が活況を帯びているとのこと😲
本の値段は他の品目より上がっているそうです これは 宅配等のため段ボールにパルプが使われ 紙の値段が上がり アルゼンチンの製紙工場も2社しかなく どんどん絵本が高くなってゆくとのお話に切なくなってしまいました ←すみません...
2023年のボローニャ絵本原画展のアルゼンチンの入賞者 6名:
Maria José de Telleria 『El señor Waldemar(ワルデマールさん)』
María Elina Méndez 『Mi tortugo(わたしのカメくん)』 これは字がないサイレント絵本で 家にカメがやってきますが 少女と猫のどちらが主人公で語っているのかわからないという本です (翻訳する時に悩みますね?!)
Joacquin Camp 『Una noche sin dormir(眠れない夜)』 赤ちゃんが夜泣きをして大変! 原因はおなら?😲 ← 氏のイラストは2021年のボローニャ国際絵本原画展のポスターにも使われましたね😊
他にも最新作やインタビューなど色々ご紹介いただき 最後に
アルゼンチンの翻訳助成プログラムPrograma Sur
そして アルゼンチンの本の検索サイト Argentina Key Titlesについて伺いました
素晴らしいアルゼンチンの絵本や児童書との出会いがあり 世界が広がりました
素晴らしいイベントを開催してくださいました板橋区立中央図書館 板橋区立美術館 そして講師としていらしてくださいましたアルゼンチン大使館の皆様に心よりお礼申し上げます
世界の書棚からは こちら
次は スゥエーデンです