「パヴァロッティとぼく」を読みました | figlia-del-soleのブログ

「パヴァロッティとぼく」を読みました

「パヴァロッティとぼく(Pavarotti ed io. Vita di Big Luciano raccontata dal suo assistente personale)」を読みました

 

 

ようやく読むことができました エドウィン・ティノコ(Edwin Tinoco)作の「パヴァロッティとぼく アシスタント「ティノ」が語る マエストロ最後の日々」📕

 

パヴァロッティ 太陽のテノール(原題:Pavarotti)」の公開(2020.9.4~)に合わせて 

 「パヴァロッティとぼく(Pavarotti ed io. Vita di Big Luciano raccontata dal suo assistente personale )の本の日本語版が 2020年9月に発売されました

 

パヴァロッティの晩年に最後まで付き添った パーソナル・アシスタントのEdwin Tinoco氏が

語った本ですが 翻訳者はなんと この時取っていた日伊協会の購読クラスのクラスメートの

楢林さんです!(^^)!

 

   *    *    *

 

なんとも幸せな本でした💕 パヴァロッティの公演先のホテルで働くペルーの若者(通称ティノ)が パヴァロッティに気に入られ あっという間にパーソナル・アシスタントになるというシンデレラ・ストーリーです

 

1週間のうちにすっかり準備をして 僕についておいで... まだ半信半疑で何も準備していなかった

彼は パヴァロッティからの電話でそれが本当の話だと知り 幼い息子や両親にも話す時間すら

ないままに その話を受けてリオに飛び立つのですね 人生何が起きるかわかりませんね😊

 

古いバッグひとつで VIPの乗るような車に乗り込み 滞在先のホテルから両親に 

自分が突然世界的に有名なテノール歌手パヴァロッティの付き人になったことを

電話で伝える彼

 

彼の働いていたホテルも そのために一躍有名になるからと 快く送り出してくれました 

その歌声で世界を魅了したパヴァロッティの プライベートな一面の見られた そしてまた

抱えていた病や苦しみを受け止めた付き人ティノの パヴァロッティが亡くなるまでの

13年の日々が綴られていた本でした

 

オペラのことを何も知らずに飛び込んだ彼は 様々な有名人と会うことになるのですね 

あるとき フランクという男からの電話を取り次ぐのですが 「どちらのフランク様ですか?」

フランク・シナトラだ」 とのくだりにはビックリ!!  

 

他にも超有名な方達が続々登場しますが ダイアナ妃が亡くなられた時のパヴァロッティの

落ち込みぶりや 名も知らぬ難病の女性とその恋人を助けてあげたり 実に愛と慈愛に溢れた

パワフルで超人的な存在でもあったのですね...

 

舞台衣装のままホテルに戻る習慣だったのですね 

役になり切っていたので クールダウンするためにブリスコラ(トランプゲーム)を

何回も続けてからようやく眠りにつき...  

また喉を守るために様々な工夫をされていたことも知りました

 

ツアーの時にはなんと50個ものスーツケースを飛行機に乗せ  (パヴァロッティは 

特別な存在だったのですね!) 自分仕様のキッチンと食材を買い込み 

周りの人たちにも色々とプレゼントし パーティーを開いて客やスタッフをもてなし 

病を押してでも様々な努力を続けてきたのですね 

 

チッチョと呼ばれていたこのティノコが 舞台上でのマエストロの喉を守るという使命のために

突然舞台に上がることになった時 衣装を取りに行けという突然の命令に

最初は半信半疑だったというエピソード 

そしてそれが翌日の新聞にも載って...  普通の人生ではなかなかない体験ですね

 

読み進むうちにだんだんと止まらなくなり 最後は手術や闘病のシーンに

胸がしめつけられてしまいました

 

孫や遅く生まれた愛する娘 元妻や友人たちに囲まれて亡くなった彼は国葬で弔われます 

パパラッチから守るのも大変なことでした 

 

ラスト近くに マエストロは彼に 「自分が若い頃に戻れるならすべてを投げ出してもかまわない」 と呟くのですね...  

健康で元気だった若い頃に戻れるならば 数えることすらできない程得た巨万の富などはいらないと... 切ないです

 

   *    *    *

 

今 このティノコ氏は インターナショナル・オペラ・マネジメントの代表を務めています 

 

パヴァロッティとの突然の出会いでもって マエストロに人生を捧げた彼の 

マエストロの心の内側を描き出したこの一冊 とても心に残りました

 

パヴァロッティが亡くなった時は 私も泣きました...

 

そしてこの本を 流れるように読みやすい日本語に訳された 私の(オンラインだけど)元クラスメートの楢林さんに あらためて敬意を表します 

オペラを愛し 50才からイタリア語を始めて こうして翻訳本を出されたのですね...

 

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