ブルーレコード5月号
今月もまた自分の連載コラム『昭和魂~あしたのTAKUYA~』を掲載していただいた。
今回は、自分の歯科医院を施工してくださった職人さんのお話。
自分はお話をご本人からメールでうかがい、ガッツある熱いその生き様に鳥肌が立ったほどだった。
そのメールを読み終えた時、自然に飛び出した独り言、「これぞ昭和魂だ!」、が今回のタイトル。
第11話 ◎『これこそ昭和魂!』◎
自分はこの春、12年間お世話になった賃貸物件に別れを告げ、新しい歯科医院の建設工事に踏み切った。
診療をおこないながら、新しい歯科医院の準備、そして古い歯科医院の閉院という普段の3倍量の激務が続いた。連日の不眠不休に近い状況にだんだん耐えきれなくなり、心身ともに押しつぶされそうになっていた。
そんな時、工事に携わってくださっていた自分と同世代の職人さんが、膵臓ガンや糖尿病を患っていてインシュリンを毎日打ちながら頑張っていることを知った。
そういう状況にありながら、熱血ファイトで仕事にも妥協をしないその職人さんの頑張りぶりを見て、自分は施主であり、かつ、元気な身体なのにこのくらいでねを上げていてはダメだ、もっともっとガンガンいかないとダメなんだと気づかされた。
今月は、その職人さんの名前を仮に和さんとし、現在病気を患っておられる方々に向けて、和さんのバイタリティーあふれる生き様や思いを発信したい。
大変な時間を要したけど、今の元気、体力、明るさがあるのは周りの協力があってこそと語る和さん。
膵臓がんを患って3年、その間に3回の手術を受ける。3年生存率が30%ということを聞き、我ながらついてるなと思ったそうだ。5年生存率になると10~20%、しかし僕は生き残ってみせると断言。
奥様と二人で何度涙を流したかわからない中、奥様と一つだけ約束したことがある。それは「死なない」こと。
奥様と二人で何度涙を流したかわからない中、奥様と一つだけ約束したことがある。それは「死なない」こと。
抗がん剤の副作用が酷く、毎日が地獄のよう。しかし、休憩時間という天国を目指して毎日精進しているという。
和さんは、癌であることを公表することにためらいはないと言う。
そして、同情されるのではなく、元気な姿を見てほしいんだ、と。
発病前は、癌=死という認識だったが、大変な誤解をしていた、癌を抱えて頑張っている人は沢山いるんだ、それに気づき反省しきり、自分ももそのような頑張る癌患者になりたいんだ、と。
社会通念的に、癌を抱えると職場から退職を余儀なくされるケースが多い。だからこそ誤解を解きたいんだと和さん。自分たちが頑張ることによって社会が変わってほしい、と。脾臓・膵臓・胆のう・十二指腸を除去し、糖尿病も患っているが、インシュリンを打ちながら元気な人間はいるんだということを証明したいんだ、と。
当初は、周囲の「頑張れ」の言葉に否定的だったという。「何を頑張ればいいのか。。」、「頑張っても再発するじゃないか。。」
しかし今はまったくその考えは無く、周囲のそういった言葉に非常にありがたみを感じるという。
もし仮に病魔に敗北したら 遺影に会いに来てくれた人に、「よく頑張りました!」って言ってもらえたら最高だと。だからそう言われるように頑張るんだと。
マラソン・サーフィン・サッカーと、かつては体を動かすのが大好きだったという和さん。病魔に勝つには体力と聞き、現在は週3回のジム通い。
ある時、がんセンターを通じて小児癌の子供たちと出会う機会があった。
癌になり数回再発して今リンパに転移しているオジさんがいるけど元気に働いてマラソンもしてるんだよと、ある看護師さんが子供たちに紹介したという。
和さんはヒーローにでもなったような気持ちで子供たちに会いに行った。たくさんの小児がんの子供たちに囲まれてビックリしたそうだが、「1月の柏の葉マラソンは出るの?」と聞かれ、「え~~あ~~~も、もちろん」と言ってしまったことがきっかけで、3回目の手術をして間もない体力が全く無い身体であったにもかかわらず、10キロのレースに出撃。
でもやってやりましたよ!と、和さん。60分もかかったと残念がるが全然悲観するタイムではない。「どうだ~~!ざま~~みろ!」と、絶叫しながらゴールイン。人生最高の瞬間だったそうだ。
『病気になったのは残念ですが、悪いことばかりではないんですよね、1日1日の大事さ、 感謝の気持ち、人の優しさ、いろんなことを感じることができて僕はある意味ラッキーなのかしれません。そう思うようにしてます。』
プロレスファンで、自分のワクチン寄付の活動にも非常に共感してくださった和さん。
感激しました、僕でもお役にたてることが何かあればと、逆に自分にエールをくださった。
『先生の活動・闘争心めっちゃかっこいいです。先生の人柄大変尊敬してます。(初対面ちょっと怖かったですが。。)ファンになりました!最強の戦士期待してます!僕も最強の癌患者を目指しています!』
人は苦しんだ分だけ強くなれる、悩んだ分だけいろいろなことに気づかされる、傷ついた分だけ人にやさしくなれる。
発病、転移、そして厳しい宣告にもめげずに毎日を熱く生きる和さん。自分が身をもって証明することで、社会をも変えていきたいと。
和さんは、その過程の中で決して“夢”を失ってはいない。
病気をして様々なことに気づかされ、奥様との約束を果たすべく前向きに生き、病気の子供たちにもはかりしれない元気と希望をもたらした。
これこそ“昭和魂”だ!
和さんからオープン祝いにいただいたお品。




