500円の魔力 |     甲斐拓也の “「新」常在戦場 ” ブログ 

500円の魔力

今日から福岡に乗り込む。



東京ー福岡と聞くと、ちょっとした旅行をイメージするくらい遠いイメージを持つ人が多いと思うが、羽田から1時間半で福岡空港だし、ご想像より近いと思う。

自分はもう慣れてしまい、ぜんぜん遠い気がしない。



福岡に住んでいた7年間は年に3往復、関東に戻ってからの15年間は年に5、6往復してるので、生涯100往復くらいしている計算になる。



そのほとんどが飛行機による移動であったが、それだけ飛行機に乗っていると、死の恐怖を感じた事も一回だけあった。



それは、まだ自分が大学生だった頃、福岡から羽田へ夏休みで帰省のために某航空会社の飛行機に乗ったときであった。



自分はちょうど右の翼の付け根のあたりの座席に座っていた。

福岡空港を飛び立って羽田に向かったその飛行機は、順調に飛行を続けていた。その時だった。



『ゴォォォーーーー!!』 という強烈な異音が機内に響き渡り、一瞬にして機内がビニールの焼けたような臭いと油の臭いとが混じったような異臭につつまれ、機体が大きく揺れ始めた。



バランスを失ったように機体は激しく揺れ、機内は強烈なパニックに。

泣き叫ぶ子供の声に交じり、大人の絶叫が飛び交いはじめた。



これは、絶対、気流の強い所を飛んだことによる揺れではない!そう瞬時に感じた自分は、極度の恐怖に包まれた。音の出所から察すると、自分が座っていた右の翼の付け根にあるエンジンで何かが起きたようだ。全シートの中でも、自分の席が一番のスペシャルシート状態!



機内には、『皆様、落ち着いてシートベルトをお締めください!』 とのアナウンスが繰り返し流れていたが、とても落ち着けるどころの状況ではない。



乗客の絶叫の中、最後に映画のワンシーンを彷彿させるような恐怖のクライマックスを向かえ、その後、機体はバランスを取り戻した。



『エンジンに異常が発生しましたので福岡空港に引き返します。。。』そういうアナウンスが流れたときは、自分はもう汗でビッショリになっていた。機内には深呼吸がこだましていた。



問題はここから。。。



命拾いした~と安心モードに浸っていた自分とは裏腹に、引きかえされては困る、乗り換えの時間に間に合わない、等々の罵声が飛び交い始めた。しかもかなりたくさん。



近くに座っていた会社員風のおじさんは、青筋を立ててスチュワーデスに何かに間に合わないと怒鳴りつけていた。さらに立て続けに、2人、3人とスチュワーデスに詰め寄り、同様の罵声を。



人間の心理的な怒りの相乗効果なのか、何かを補償しろとか弁償しろ的な因縁をつけている人もいた。



福岡空港に再び着陸し、搭乗口で待機を命じられた後も、怒りの頂点の乗客たちの怒涛が渦を巻き、搭乗口はものすごい混沌とした状態に。



すると、アナウンスが流れた。

『皆様には大変ご迷惑をおかけいたしましたので、今から500円のお食事券をお配りいたしますので、おならびください。。。』、『おならびくださ~い!』



すると、その時まで大声で罵声を浴びせていたようなおじさんたちが、『おならびくださ~い!』の500円のお食事券のアナウンスを聞き終わるか終わらないかくらいに、我先にと、お食事券の配布の列に並びだしたのだ。今度はそっちでおしくら饅頭。Hanako が取材に来ちゃうんじゃないかと思うくらいの、行列が出来るお食事券配布所バリ。



ええ~~っ!500円のお食事券で人間の感情ってここまで変わっちゃうの??



しかもさっき青筋立てていたおじさんは、隣の売店で早速サンドイッチを買い、おいしそうにパクパク食べていた。





最近こそ、ワンコイン何とか、などの500円でのサービスが多くなってきたが、500円というお金には魔力があるものなのか。。。(笑)