
「新・ピイナッツ2」
「新ピイナッツ2/永遠のターゲット」
製作:1998年
▼この作品は、2年前に紹介した清水宏次朗&岸本祐二主演作『新・ピイナッツ』の続編です。前作のレビューでは清水と岸本の共演に着目しましたが、作品そのものはありがちなストーリーと不親切なアクション描写が災いし、あまり良質とは言い難い出来になっていました。
しかし、本作はそれらの欠点が見直され、よりボリュームアップした内容に生まれ変わっています。物語は厚みを増し、暗がりで見づらかったアクションシーンは明るい場所で行われるようになり、対戦相手も充実。少なくとも、前作以上の完成度には達しているのです。
■アメリカ帰りの無頼コンビである清水&岸本の前に、ヤクザに追われる1人の女性が現れた。彼女を助けた2人は、ニセ宝石で私服を肥やす悪徳宝石店の女店長・中島宏海の企みを察知し、この件に関わっていく事となる。
中島はヤクザの安岡力也と共謀して、強引な代金取立てなどを敢行しているという。彼女のせいで全てを失った永倉大輔は、同じく路頭に迷った男たちと手を組んで強盗団を結成し、真っ向から戦いを挑もうとしていた。
搾取しようとする加害者と、復讐に燃える被害者の対立…。一見すると単純に見える構図だが、実はこの事件の裏には大きな陰謀が隠されていた。清水は中島や永倉と接触し、岸本は追われていた女とその兄を見守りつつ、真相に近付いていく。果たして、最後に笑うのは一体誰なのか?!
▲本作のストーリーは、前作と同じように様々なエピソードを交錯させる形で描かれています。清水が本筋の重要エピソードを受け持ち、岸本がサブヒロインがらみの話題を担当する点も、前作と同様です。
では、コテコテな展開ばかりだった物語も受け継がれているのかと心配になりますが、こちらについては話を複雑化させることで失敗を克服しています。しかし、複雑化したことで物語が解りづらくなり、敵として1人だけ雰囲気が浮いてる超能力者が登場したりと、新たな問題が生じていました。
一方、アクションは前作から格段に進歩していて、香港から来た格闘家の刺客というナイスなキャラが登場します。殺陣の質は前作と同じですが、格闘シーンはなかなか豊富。ラストでは清水が香港の刺客からヌンチャクを奪い、ちょっとしたヌンチャク合戦まで繰り広げられます。
と、このようにアクションは良い感じなんですが、唯一残念だったのは清水VS岸本という夢の対決がギリギリで実現しなかった点でしょうか。物語後半、岸本が洗脳されて清水を襲うシーンがあるのですが、速攻で洗脳が解けるので勝負にすらなっていませんでした(涙
確かに前作から増強された点が見受けられるものの、完全な改良には至らなかった惜しい作品。格闘アクションの出来はいいだけに、せめて清水VS岸本のガチンコバトルは見てみたかったですね。
…ところで、副題の「永遠のターゲット」って何?(爆

「電脳警察 サイバースパイ」
「電脳警察 CYBER SPY」
原題:公元2000 AD
英題:2000 A.D.
製作:2000年
▼香港四天王の一角を担い、唄って踊れる俳優として一世を風靡した郭富城(アーロン・クォック)。彼は武侠アクションからラブストーリーまで幅広いジャンルの映画に出演し、現在も第一線で活躍を続けています。
本作はそんな郭富城が『SPY_N』と同じ時期に出た作品で、こちらでも凄まじいアクションを演じています。これら陳嘉上(ゴードン・チャン)監督による骨太なアクション描写の数々は、『SPY_N』とはまた違ったインパクトを残していました。
■郭富城は友人の呉彦祖(ダニエル・ウー)と共に小さな会社を経営しているが、仕事そっちのけで遊ぶせいでいつも金に困っていた。そんな彼の元に、アメリカでコンピュータ関連の企業に勤めている兄・呂良偉(レイ・ロイ)が帰って来た。
頼りになる兄との時間を楽しく過ごす郭富城。ところが、彼らは突如として香港警察に拘束されてしまう。刑事の呉鎮宇(フランシス・ン)は「呂良偉にスパイ容疑がかけられている」と言うが、もちろんまったく身に覚えのない出来事であった。
その後、郭富城は無関係ということで釈放されたが、護送されようとしていた呂良偉が謎の暗殺者・慮恵光(ロー・ワイコン)に殺害されてしまった。アメリカから兄の婚約者である郭妃麗(フィリス・コク)が帰国する中、郭富城は兄が隠していた貸し金庫の鍵を発見する。
兄はどうして捕まり、そして暗殺されなければならなかったのか?真実を求めて奔走し続ける郭富城は、やがて警察・シンガポール軍・CIA・そして犯罪組織と対峙していくこととなるのだが…。
▲まるで特撮作品みたいな邦題ですが、作品そのものは凶悪な破壊プログラムを巡る攻防戦であり、トラブル巻き込まれ式のスリリングなストーリーが展開されていきます。
正直言って序盤は少々退屈な展開が続くんですが、呂良偉が殺される辺りから作品の雰囲気が変わり始めます。矢継ぎ早に繰り広げられる銃撃戦と、次から次へと示される謎。舞台がシンガポールに変わってからは更にアクションが増加し、なかなかの盛り上がりを見せていました。
次にアクション面ですが、こちらは全体的に銃撃戦が多め。これら一連のガンファイトでは、着弾で穴が開いたり血飛沫が飛び散ったりするなどの細かい演出により、異様に殺気のあるバトルに仕上がっています(呉鎮宇の最後に号泣!)。
もちろん格闘アクションもしっかり用意されていて、特にクライマックスでの郭富城VS組織のリーダーである連凱(『スティル・ブラック』のボス)の激闘はその最たるもの。豪快なカーチェイスも含め、アクション面は充実していたと言えます。
ただし物語の展開がかなり速く、ちゃんと前後関係を把握してないと解りにくい箇所も存在します。また、ゲームおたくの郭富城がやたら強いという点も不自然に思えました。これはゲームのおかげで戦いの素養があった…ということなのかな?
呂良偉を殺した張本人である慮恵光がのうのうと逃げ延びるという点も腑に落ちませんが、それ以外は概ね良好。実に香港映画らしいアクション活劇なので、一見の価値はあると思います。

「ソード・レジェンド 失われたドラゴンの剣」
原題:ADVENTURES OF JOHNNY TAO/QUEST OF THE DRAGON
製作:2007年
●砂漠に面した片田舎の町に住むマシュー・トワイニングは、功夫映画が大好きなボンクラ青年。売れないミュージシャンだった亡き父のミュージアムと、古びたガソリンスタンドを経営しながら気ままに暮らしていた。
そんなある日、マシューの友人でUFOマニアのマット・マリンズは、砂漠で奇妙な武器を発見する。それは900年前に邪悪な存在・タイローを封印した槍の一部であり、槍を引き抜いたマットは復活したタイローに体を乗っ取られてしまった。
憑依されたマットは町のワルどもを洗脳し、欲望の赴くままに暴虐の限りを尽くしていく。そこへ魔を封じる一族の末裔である甄子菁(クリス・イェン)が現れ、封印の槍のもう1つの破片を持っていたマシューと共に反撃を開始する。善と悪…最後に勝つのはどっちだ!?
マット・マリンズ!ドニーの妹の甄子菁!そして監督が『ショウダウン』で主演を演じていたケン・スコット!…ということで前から気になっていた作品だったんですが、これが中々の力作に仕上がっていました。
確かに色々とヘボい点はあります。メインキャストが少なく、敵が行う悪事の内容も規模の大きい食い逃げオンリー(笑)だったりと、ツッコミどころを挙げたらキリがありません。しかし物語はスムーズに進むし、出てくるキャラもそこそこ個性的。香港映画風に味付けされた格闘アクションも非常に良く出来ています。
本作で気になるのはやはりマットと甄子菁ですが、両者ともソードファイトや華麗な回し蹴りを駆使し、派手な戦いを繰り広げています。もちろんこの2人の直接対決もあり(内容は少々消化不良でしたが)、主演のマシューも負けじと頑張っていました。
また、劇中のアクションはシチュエーションが工夫されていて、小競り合い程度の戦いにも手が加えられています。ゴリラの着ぐるみを着て闘ったり、紙吹雪が舞い散る中で死闘を演じたり…。こういう細かな演出を大事にする格闘映画は意外と少なく、本作のスタッフがどれだけアクションに力を入れているかが良く解りますね。
ストーリーは平均以下ではあるものの、格闘アクションの質は高い本作。1つだけ不満があるとすれば、あまり人が傷付かないストーリーだったのに、甄子菁が後半で○○してしまった事ぐらいでしょうか。何はともあれ、格闘映画ファンは必見の作品です!

「バウンティハンター2」
製作:2011年
●法務省公認の賞金稼ぎ=バウンティハンターの松田優は、今日も賞金首を捕らえる仕事を続けていた。ある日、彼の前に大病院をクビになった看護婦が現れ、「医師の永倉大輔を殺してください」という物騒な依頼を持ち込んできた。
当然、「殺しの仕事なんてしない」と突っぱねる松田であったが、大病院の裏に金の匂いを察知した彼は行動を開始する。知り合いの暴力団を使って調査した結果、堕胎児を悪用した臓器密売と、幻の高額賞金首・堀田真三の存在が明らかとなった。
だが、その矢先に看護婦が敵に誘拐されてしまう。彼女は体の悪い堀田に目を付けられ、近いうちに臓器移植が行われるというのだが…。一方、松田は堀田に尻尾を切られそうになって逃げ出した永倉から、敵が産廃業者に化けていることを知らされた。
今回は相手が大人数ということで、同じく堀田を狙っているバウンティハンターの的場浩司に協力を要請。かくして、2人の賞金稼ぎは密売組織のアジトへと切り込んだ!
本作は以前紹介した『バウンティハンター』の続編となる作品で、今回もバウンティハンター同士の思惑が交錯するシリアスなストーリーが繰り広げられています。しかし、前作では相反するバウンティハンターが敵対したり、仕事のスタンスなどが語られていましたが、本作は単に臓器密売組織を潰すだけの話になっていました。
前作では脇役ながら光る存在だった加納竜も本作では出番が少なめ。反対に情報屋の木村圭作が本作で意外な顔を見せるんですが、こちらは割とあっさり消えてしまいます。また、前作のラストで突然現れた第3のバウンティハンターが再登場するものの、松田とは顔すら合わせないまま退場してしまうのです。
そしてアクションについてですが、前作と比べると銃撃戦は控えめ。ラストの決戦で立ち関節などを使用した格闘戦が展開されますが、ザコしか出てこないので見応えがありません。相変わらず的場ははっちゃけていますが(今回は電磁グローブで銃弾を跳ね返す!)、彼らと対等に戦える猛者が不在だったのは惜しい限りです。
前作は逃亡犯のような等身大の犯罪者が相手であり、ガチンコで勝負をする機会は限られていました。しかし本作では敵が国際的な犯罪組織なので、多少ムチャな強敵を出しても良かったはずです。設定自体は魅力的なので、個人的には続編を希望したいのですが…。

「バックラッシュ」
原題:BACKLASH
製作:2006年
●CIA工作員のダニエル・ブルジオは、大悪党のバス・ルッテンを激闘の末に捕らえるが、襲いかかってきた彼の息子を射殺してしまう。バスの報復を警戒した彼女は、恋人と共にトリニダード・トバゴへと入国。休暇を兼ねて身を隠そうとしたが、いきなり謎の武装集団に襲撃を受けた。
なんとか脱出したダニエルは、事態を把握するためCIA本部に連絡を取る。だが、「君の所在はCIAの人間しか知らない」との回答が…。謎の敵は殺し屋のローレン・キムらを向かわせ、彼女の恋人を殺害する。ダニエルは駐留する軍隊に保護を求めたが、殺し屋の前には軍隊すら歯が立たなかった。
一転して窮地に陥るダニエル。ところが、そこへ死んだはずの恋人が救援に現れた。謎が謎を呼ぶ中、南国の楽園に銃声を響かせた黒幕が姿を見せるとき、彼女は驚愕の真実を知る!
出演者は無名だけど全員がスタントマン出身!元パンクラスのバス・ルッテンが特別出演!ということで視聴してみた作品なのですが…お察しの通り、なんともヘナヘナな珍品でした(涙
作り手はスピーディーな展開の作品にしたかったようですが、なかなか先に進まない物語と演出のせいで逆に牛歩状態に陥っています。ストーリーはありがちな展開ばかりなので、すぐ結末が予想できます。しかし、この牛歩状態のせいで結末に到着するまでが長く、本作の冗長さをより強調していました。
格闘シーンの殺陣はそこそこ作り込んでいますが、問題はその表現方法。なんと本作のアクション(カーチェイスも含む)は、頻繁に早回しが使われているのです。恐らく、演者の動きや車の速度が遅かったため、早回しで無理矢理スピードを増そうとしたのでしょう。おかげでアクションが不自然極まりない出来になっています。
注目していたバスの出番も序盤だけなので、彼目当てで見るにはキツいと言わざるを得ません。唯一良かったのは後半の手前で行われるダニエルVSローレンのタイマン勝負。この対決だけは余計な演出が少なく、安定したファイトになってました。この調子で全編を通して頑張っていれば良かったのですが…。