
還我少林
英題:Shaolin VS Manchu
製作:1984年
●満州族の軍勢は目障りな少林寺を潰すべく、密かにスパイを潜り込ませていた。折りしも少林寺では次期館長を選抜する評議の真っ最中。若き青年僧侶が最有力候補とされていたが、あるトラブルにより彼は寺を追放されてしまう。
繰り上がりで次期館長は第2候補の李建興に決定したが、実はこの男こそがスパイだった。彼は病気で弱っていた現職の館長を暗殺し、まんまと館長に就任。満州軍を手引きして少林寺に攻め込ませ、僧侶のほとんどを殺害せしめた。
青年僧侶は逃げ出してきた友人の僧侶とともに、捕まっていた仲間の孫國明(スン・コクミン)らを救出する。が、肉を食わされるなどの辱めを受けた彼らは、これ以上関わりたくないと協力を拒否…残された2人は途方に暮れるのだった。
一方、館長の証である黄金の器を奪った李建興は、精鋭部隊と共に少林寺へと進撃していた。紆余曲折を経て団結した青年僧侶と仲間たちは、憎き李建興と対決の時を向かえる!
本作は、かの有名な李連杰(リー・リンチェイ)の『少林寺』に便乗したフォロワー作品です。英題にあるManchuとは満州族のことで、少林寺と悪らつな満州軍との戦いが描かれています。
なんとなく話が『少林寺 怒りの大地』に似ていますが、製作年度はギリギリで本作が先。偶然の一致なのか、それともプロットをパクったのかは定かではありませんが、少なくとも出来に関しては本作の方が遥かに劣っていました(爆
まず目に付くのがキャストの地味さです。名の知れたスターは武術指導も兼ねている孫國明くらいで、主役から脇役に至るまで無名の俳優ばかり。かなりの低予算作品であろうことは窺えますが、いくらなんでもこれは…。
アクションシーンも頑張ってはいるものの、本作独自といえるような要素は皆無。主人公の切り札がただの酔拳というのも地味すぎます。やっぱりフォロワー作品というものは、多少ムチャをやった方が良いのかもしれませんね(苦笑
ちなみに監督の李超俊(マールーン・リー)は、師父仔という名で『酔拳』にも出演しています(ジャッキーの悪友の1人)。本作で酔拳がフィーチャーされているのは、このへんに関係がありそうです。