『CIA』 | 続・功夫電影専科

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「CIA」
原題:The Prophet/The Capitol Conspiracy
製作:1999年

●CIAのエージェントであるドン・ザ・ドラゴン・ウィルソンは、昔から勘のよいエスパーのような能力を持ち、相手の行動を先読みすることが得意だった。そんな彼に、爆弾テロを引き起こした5人の容疑者を逮捕し、場合によっては射殺も許可するという特命が下る。
ロスに飛んだ彼は女性捜査官と合流。容疑者たちに接触を試みるが、誰も彼もテロを引き起こすような人物には見えなかった。しかし、その過程で容疑者たちは次々と謎の死を遂げ、いつしかドン自身もCIAに命を狙われることになってしまう。真実を求めて奔走する彼は、事件の裏にCIAの恐るべき陰謀があることを知り…。

 今年に入ってから触れる機会の多くなったドンの主演作ですが、本作はその中でもかなり凶悪な代物でした(爆
通常、ドン作品には格闘技の世界チャンピオンなどが頻繁に出演するんですが、本作はその手のゲストがほとんど出てきません。何人かプロレスラーがザコ役で出ているようですが、格闘家や動ける人間をメインに持ってこないのは実に珍しいことです。
 ストーリーは謎を追うサスペンスタッチの話で、なおかつアクションシーンが豊富に存在しています。しかし、そのどれもが非常にヌルい出来となっています。原因は全編に渡って演出がスローであるということ。アクションにおける一挙一動から物語の展開まで、その全てが牛歩状態で進んでいくのです。
特に顕著なのがアクションのもっさり具合で、まるでドン作品の駄目なところが強調されたような出来でした。例を挙げると、銃撃戦では棒立ちで銃を撃ちまくり(もちろんドンは一切被弾せず)、敵に追われる場面では走らずにテクテクと歩き、どんなに急いでいるシーンでも小走りで済ませています
 殺陣についても動きが振るわず、終盤に列車の屋根でポール・マイケル・ロビンソンと闘うシーンに至っては、両者ともビビっていて全然動けていませんでした。とはいえ、こんな危険な場所で撮影に挑んだドンたちを責めることは出来ません。ポールもそこそこ動けそうだっただけに、このような結果になったのは実に惜しいことです。
グダグダすぎるオチや低予算丸見えのセットなど、ドン作品の中でも下位に当たる本作。もっとも、『女切り裂き狂団チェーンソー・クイーン』のフレッド・オーレン・レイが監督なので、このような結果になったのも仕方が無い………ワケないよ!(涙