『Mission: Killfast』 | 続・功夫電影専科

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香港映画を始めとした古今東西のアクション映画の感想などを書き連ねています。


Mission: Killfast
製作:1991年

●これまで格闘映画スターの出演作をお送りしてきましたが、次は最近ご無沙汰だった香港映画のキャストが関わった未公開マーシャルアーツ映画を取り上げていきます。その最初のターゲットとなるのは、『死亡の塔』『酔殺拳スーパー・フィスト』で知られる凄腕キッカー、楊成五(タイガー・ヤン)です!
楊成五は韓国から来たテコンドーの達人で、本国や香港で数々の功夫片に出演した経歴を持っていますが、同時に国際的な武術家としても活動していました。その縁なのか、アメリカで『CIA殺しの報酬』の武術指導を任された事もあり、本作でとうとうハリウッド映画への出演を果たしたのです。

 さてストーリーですが、正直言って詳細はよく解りません(爆)。大雑把に書くと、「米軍から奪われた核兵器の部品?がテロリストの手に渡りそうなので、CIAが楊成五と協力して武器商人を倒す!」という話のようです。
本作の楊成五はCIAに召集されたテコンドーの師範という、実際の本人に近いキャラクターとなっています(役名もそのまんまタイガーヤン!)。序盤は扱いの割りに登場頻度はやや少なめですが、劇中では中盤から主役扱いとなり、テコンドーを使った立ち回り以外にも演舞やトレーニングなどを披露していました。
ただ、本作は地味な捜査と駆け引きで話を進めていくため、派手なドンパチや格闘戦は要所々々にしか出てきません。本作のタッチも80年代の初期型格闘映画(『殺しの報酬』のような物)を感じさせますが、90年代の作品にしては少々古臭い作風に思えます。しかしラストにおけるテロリストとの決戦では、楊成五とその仲間たちによる格闘戦が一気に増え、それなりの盛り上がりを見せていました。
 そんなわけでコテコテのC級アクション映画な本作ですが、主演に加えて武術指導をも一手に引き受け、『殺しの報酬』と同じ香港系の格闘シーンを演出した楊成五の手腕は、もっと評価されるべき存在と言えます。現時点では本作が最後の映画出演のようですが、少し前に話題になった黄正利の復活劇のように、楊成五もスクリーンへ帰ってこないか密かに期待しています。