
「西部警察PARTIII/燃える勇者たち」
製作:1984年
▼(※…画像は本作を特典として収録したDVDのものです)
皆さんあけましておめでとうございます!正月はとっくに過ぎていますが(汗)、本日より「功夫電影専科」は新たに再始動しますので、また今年も宜しくお願い致します。さて、今年から当ブログの奇数月は"お題"に添った更新をしていく事になりましたが、今月のテーマは「映画じゃない作品」。映画ではない媒体のタイトルをお送りするということで、まずは大門軍団と犯罪者たちとの果てしない闘いを描いた本作からの紹介です。
『西部警察』は渡哲也ら西部署の面々が毎回大暴れを演じ、TVの枠を超えた凄まじいアクションシーンで一世を風靡した刑事ドラマの金字塔的作品である…というのは皆さんもご存知の通り。本作はその『西部警察』がノリノリだった時期の1本で、年明けに放送された2時間枠のスペシャル版である。名古屋・四日市・横須賀・長島温泉で大々的なロケーションを敢行し、物語のスケールやゲストの豪華さも普段の倍にグレードアップ!もちろん当ブログで取り上げるからには功夫映画的な見どころもあるんだけど…詳しくは後述にて。
■物語は、いきなり西部署の面々が軍隊さながらの訓練をしている場面から始まる。
なぜ彼らがこんな事をしているのかというと、事は日本銀行から百億円の金塊が強奪された事件から端を発していた。この金塊を奪った強盗団の背後には、裏で糸を引いている首謀者がいると内閣調査局室の丹波哲郎は言う。こうして「敵の黒幕を探れ」と特命を受けた大門軍団は、先の強盗事件で唯一逮捕されたヘリのパイロット・亀石征一郎を脱獄させ、口を割らせるという危険な任務に挑むこととなったのだ(彼らはその為に訓練していた)。
パイロット奪取というミッションの後、大門軍団はまんまと亀石から「矢野大サーカスのマジシャン・勝新太郎という男が関わっている」との情報を聞き出した。サーカス会場へ向かった彼らは勝をマークするが、相手はなかなか尻尾を出さない。そうこうしているうちに勝が行方をくらまし、強盗団が遊園地で接触するとの情報が入った。しかしこれは大門軍団を潰そうとする敵の罠。この反撃で団員の小林昭二が被弾し、渡が子供を救おうと人質になってしまう。
敵の手に落ちた渡の命は風前の灯か?そう思われた矢先、強盗団の一味であるはずの勝がいきなり反旗を翻した。何も語ろうとしない勝は、渡にマイクロフィルムを渡すと有無を言わさず海に叩き込み、彼を脱出させることに成功した。実はこの男、強盗団の黒幕を暴こうと潜入していたCIAエージェントだったのである。
強盗団は金塊をサーカス会場に隠していたが、勝は爆弾をセットして取り出せないよう細工していた。遂に姿を現した強盗団の黒幕・財津一郎(その正体は東側のスパイ)は、サーカスの団員を人質にして彼を脅迫。一方、大門軍団も託されたマイクロフィルムを見てサーカス会場に急行したが、既にそこには強盗団たちが待ち構えていた。かくして、大門軍団VS強盗団との死闘が幕を開ける!
▲スタントアクションはカーチェイス程度で、家屋倒壊のような爆破シーンは無いが、なかなかゴージャスな作りの作品だ。後半にかけて頻発しまくるタイアップにはちょっと苦笑してしまったが(特にマクドナルドのプッシュが凄い・笑)、通常どおりのテンポで進むので冗長さはほとんど感じられない。丹波哲郎や勝新太郎といった豪華キャストの出演も作品に花を添えており、随所で裕次郎とのツーショットが実現しているのも非常に興味深いところである。
ところで本作に登場する強盗団だが、メンバーの中にあの倉田保昭が参加している。倉田は勝と共にサーカスに潜入し、ピエロ姿で身を潜めつつ大門軍団を監視。後半からは敵のリーダー格として頻繁に登場していて、ラストでは華麗なナイフ捌きを披露している。そんな倉田と闘うのが大門軍団団長・渡哲也なのだから堪らない。素早い蹴りで迫る倉田に対し、拳闘スタイルで立ち向かう渡!本作の技斗は『闘え!ドラゴン』も担当した高倉英二なので、この2人の対戦はなかなか面白いです(ちなみに、一瞬だが倉田保昭VS勝新太郎も実現している)。
バラエティに富んだ内容に加え、渡VS倉田という異色のマッチも見られる本作。まさに家族揃ってコタツに入り、ミカンを食べながら見るには最適の娯楽作と言えるだろう。なお、石原裕次郎は本作の同年に肝臓ガンを患い、それから僅か3年後にこの世を去っている。当時のTV番組でこのような大物スター同士の共演が実現できたのは、まさにこの時期が最後だったのかもしれない……。