『テコンドーが炸裂する時』 | 続・功夫電影専科

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香港映画を始めとした古今東西のアクション映画の感想などを書き連ねています。


「テコンドーが炸裂する時」
「空手は世界を制す」
原題:[足台]拳震九州
英題:When Taekwondo Strikes/Sting Of The Dragon Master
製作:1973年

●ゴールデンハーベスト初期の茅瑛(アンジェラ・マオ)作品だ。韓国で活動する抗日グループと日本軍の攻防を描いた一本だが、彼女の主演作でもトップクラスの完成度を誇っている。特筆は国際的なキャストの数々で、アメリカテコンドーの父と呼ばれた李俊九(ジューン・リー)、"自称"李小龍の友人こと風間建などが大挙して出演しており、とてもバラエティに富んでいる。武術指導はこの時期多くのハーベスト作品に関わっていたサモハンで、完成度の高い功夫アクションはとても面白い。
李俊九は抗日グループの長で、黄家達(カーター・ウォン)らと活動を続けていた。ところが黄家達のミス?により、とある教会が戦いに巻き込まれてしまう。李俊九や仲間のアニー・ウィントンは追ってきた日本人を蹴散らすが、この一件で彼らを庇ったアニーの叔父(アンドレ・モーガン)が日本人(風間建・サモハン)らに捕まってしまった。李俊九は茅瑛と協力して救出作戦を展開するも、卑劣な罠によって茅瑛の母が死亡。茅瑛は正式に抗日グループの一員として協力する意思を固めた。
一方で日本人らは抗日グループ撲滅をもくろみ、人質の交渉を利用してアンドレを殺害すると、李俊九を捕縛。今度は李俊九を人質にして茅瑛たちをおびき出そうと動き出した。李俊九は罠と知りつつも、抗日グループを中国に脱出させるための時間稼ぎに踏み切る。しかし李俊九の自らを捨て駒にした決死の作戦も、抗日グループ内の内通者によって水泡に帰してしまった。
中国へと向かった茅瑛たち一行。しかし中国在住の日本人たち(黄仁植と金[王其]珠)は抗日グループをあぶり出そうと、無差別の韓国人狩りを開始する。身を隠していた茅瑛たちは、アニーの情報で黄仁植と合流した風間建が李俊九を捕らえていることを知り、すぐさま奪還のために乗り込んだ。「わしの事などどうでもいい!」と叫ぶ李俊九だが、あくまで李俊九を助けようと黄家達たちは不利な戦いに突っ込んでいく。そんな中、ひとり遅れて到着した茅瑛は、抗日グループの重要書類を手にして現れた。茅瑛の裏切りかと思われたその時、彼女の蹴りが火を吹いた!かくして始まる一大決戦、生き残るのは抗日グループか、日本人か!?
という訳で、ご覧の通り本作は実にスリリングな展開を見せており、当時としても高水準の作品であったことが伺える。凡百の抗日功夫片なら適当に日本軍の嫌がらせと仇討ちで終わらせてしまうが、このへんは職人監督・黄楓らしく手堅い演出を見せている。前述の通り功夫アクションは見応え十分で、特に後半から登場する黄仁植の蹴りがマジで凄い(1人だけ技のキレが良すぎて浮いてます・笑)。また、香港映画初の白人女ドラゴン・アニーの活躍や、李俊九が見せる本物の技も見どころのひとつと言えるだろう。
絡み役にはユンピョウや陳龍・徐忠信や林正英の姿も確認でき、韓国功夫片おなじみの顔である金[王其]珠や『死亡的遊戯』の丸太男こと陳全(チェン・ユアン)の参加もファンには嬉しいところ。茅瑛のハーベスト作品には未見のものが多いので、これからも彼女の作品はチェックしていこうかと思います。