
Ninja vs Bruce Lee
製作:1977年
※本作はニコイチ映画の『Ninja vs Bruce Lee』であって、『忠烈精武門』ではありません。データベースサイトなどでは『忠烈精武門』=『Ninja vs Bruce Lee』とされており、このレビューを書いた時点では私も同一の作品と思っていましたが、あくまで別の作品です。私は文中で本作を『忠烈精武門』だと思いこんだまま書いているので、色々とおかしな点があります。そのへんはどうかご了承下さい…。
▼久しぶりに呂小龍(ブルース・リ)主演のバッタもん李小龍作品を紹介するが、色々と妙な雰囲気の映画だ。
まずタイトルは『忠烈精武門』となっているが、本作は功夫片でも古装片でもない現代劇で、もちろん精武門なんか出てこない。モノ自体は韓国製(HKMDBによると製作国はフィリピン)となっており、その胡散臭さは『Bruce's Fist of Vengeance』とタメを張るほどだ。しかし、この違和感は視聴を進めていくことで自ずと氷解していく事になるのだが…(後述)。
■とりあえずストーリーを追うとこうなる。
覆面姿の連中と李康助のグループが何かの取引きをしているが、交渉決裂の末に李康助グループは李康助を残して全滅を喫した。どうやら覆面姿の連中は日本の犯罪組織のようで、例によって江島がボスを務めている(ちなみに江島の役名は「松田さん」)。この姿の見えない敵と闘っていくのが秘密捜査官の呂小龍で、中盤からは別の売春組織とも対決していく流れとなり、物語をよりを混迷に陥れていくのだ。
その後、呂小龍の友人役で張力(チャン・リー)が登場。売春組織の用心棒である南宮勳によってあっという間に殺害されるという、いつも通りのかませ犬っぷりをここでも発揮する(笑)。張力を殺されて怒りの鉄拳アチャーな状態になった呂小龍は、売春組織と用心棒の南宮勳(ナン・ゴンクン)を一網打尽に…と、ここで何の伏線も無しにいきなり羅烈(ロー・リェ)が参上!南宮勳ともども日本人役という設定だが、南宮勳が黒いドスの効いた着物だったのに対し、お祭りのハッピみたいな格好の羅烈と落差がありすぎるぞ!(苦笑
という訳で羅烈と組織のボスを潰して売春組織はめでたく壊滅し、江島組織との戦いに戻って江島をぶちのめし物語は幕を閉じるのだった。
▲と、ご覧の通り呂小龍作品らしく支離滅裂な物語だが、呂小龍の顔つきが登場するシーンごとで微妙に違っていることに気付かされる。更に驚いた事に、開始36分ごろに差し掛かったところで『死亡魔塔』のアクションシーンが唐突に挿入されるのだ。劇中の台詞によると「売春組織が仕向けたニンジャの刺客」という事になっているが、呂小龍は『死亡魔塔』時のトラックスーツ姿だし、当然敵もニンジャではない。
どうやら本作は江島ら組織が登場する場面と、売春組織と対決する2つのフッテージによって構築されたニコイチ映画なのである。要するに最初と最後は江島組織フッテージが使用され、中盤に挟み込まれる形で売春組織フッテージが使われた…という事なのだろう。私としては初めて呂小龍のニコイチ映画を見たが、フィルマークの本家ニコイチと比べると良くも悪くも中途半端。功夫アクションは呂小龍自身が指導しているが、全てにおいてインパクト不足で見るべきものは何も無いと言えるだろう。
ところで劇中にニンジャが出てこないのはいいとして、データベースのキャストにいたはずの孟飛(メン・フェイ)はどこに消えたんだよ!?
※答:本作が『忠烈精武門』じゃなくて『Ninja vs Bruce Lee』だからです(爆