
「ジル・リップス 殺戮者」
「ジルリップス」
原題:JILL RIPS
製作:2000年
●本作はドルフ・ラングレン主演のサイコサスペンスだが…まぁ、この作品は語るジャンルが違いますね。
ストーリーは元警官のドルフが、兄を殺した猟奇殺人鬼を追うというもの。本作でドルフは『デスロック』の時と同様に、アクションをメインに添えないドラマ重視の作品に挑んでいる。だが、アクション抜きのドルフがどれだけ魅力に乏しいかは既に『デスロック』で証明済み。しかも本作は活劇ですらないので、完全にドルフの持ち腐れ状態と化している。一応格闘シーンはちょろっとだけあるものの、ドルフが優勢になるのは酒場での乱闘シーンのみ。他の場面では大勢のチンピラにタコ殴りにされてしまうという、非常にみっともない場面まで出てくるのだ。
だが本作でのドルフの醜態はこれだけではない。次々と起こる猟奇殺人事件の犯人がSM嬢だということを掴んだドルフは、犯人と目されるSM嬢のもとへ潜入する…ということはつまり、ドルフのSM体験ショーが繰り広げられるのである(萎)。縛られて逆さ吊りになり、ビシバシとしばかれるドルフ…恐らく、彼の主演作史上最も情けない姿だろう。嗚呼、こんなドルフなんか見たくなかった…。
アクションに全く見どころが無いことがこれで解ったが、ではストーリーはどうなのかというと、これがまたショボい代物だった。私はあまりサスペンス物は見ない方で、たまに休日の昼下がりに再放送されてる数年前の2時間ドラマを見るぐらいだ。なのでこういうジャンルについてはあまり詳しくないのだが、サイコサスペンスである以上、謎解き要素や残虐シーンなどは必要不可欠なはずだ。どこかで見る者にアッと言わせるような、衝撃的な展開の1つや2つはあって当然といえよう。
しかし本作は平坦な出来であり、先述した不快なSMシーンも手伝って見る気がどんどん削がれていく。終盤になって犯人が判明するも、見てるこちらは完全に意気消沈。まぁ監督が『ストーム・キャッチャー』と同じ人なので、こうなったのもなるべくしてなったという事だろうか。とりあえずアクションがあるだけ『デスロック』の方がまだマシ。ジャケ裏の解説で「迫力満点の格闘シーン」と書かれているが、100%嘘なのでご注意を。