
武僧
英題:Ninja Vs Shaolin Guards/Guards of Shaolin
製作:1984年
●前々回、羅鋭(アレクサンダー・ルー)のニンジャ映画のマンネリ化について多々触れたが、今回はその一因になっている出演陣へ注目してみよう。
『ニンジャ・シティ』のレビューでも書いた通り、羅鋭作品はいつも似たようなキャストがヘビーローテーションで動員されている。主に功夫片の場合は龍世家(ジャック・ロン)&龍冠武(マーク・ロン)が、現代劇の場合はユージン・トーマスが必ず登場し、これに常山&唐龍や五毒の江生&鹿峰が続く。言わば彼らは羅鋭レギュラーズともいうべき存在なのだが、今回はレギュラー陣を一切排除した画期的な作品で(スタッフには羅鋭作品常連の戴徹がいるが)、加えて韓国への遠征ロケを果たしている。その特異なロケーション効果の為か、本作はいつもの羅鋭作品とは少々タッチが違っているのだ。
さてその内容だが、ハッキリ言って本作はスケールの小さい『少林寺・怒りの大地』である。韓鷹(イーグル・ハン…『少林寺・怒りの大地』における干光榮(ユー・ロングァン)の役回り)とその仲間によって少林寺が襲撃され、羅鋭ら四人の弟子(というか羅鋭たち四人しか弟子がいない・笑)は死に際の館長から秘伝書を譲り受けた。韓鷹によって羅鋭たちは館長殺しの犯人とされ、次々と放たれる刺客と戦っていくのだが…と、話の内容はこれだけ。あとは延々と刺客との戦いが続いていくだけで、ストーリー面の評価はあまり良いものではない。
本作の監督である張旗は『大武士與小[金票]客』『詠春興截拳』等の呉思遠的な作品を手がけた人だが、それらと比べると本作はかなり落ちる。とはいえ、戴徹が関わっているだけあって功夫ファイトの方は良好だ。仲間の1人に王龍(マイク・ウォン)が、刺客の1人に羅鋭作品の縁の下の力持ち・李海興(アラン・リー)が扮しており、彼らが立ち会うアクションは中々面白い。しかも今回はあの早回し効果がほとんど使用されていないので、簡素な作風と相まって(いい意味での)オードソックスささえ感じるのだ。
ところでこの作品、「なぜ突然韓国ロケ?」と思うところだが、改めて羅鋭作品を振り返ると『ニンジャ・ハンター』の王龍や『ニンジャ・シティ』の李芸敏&崔旻奎、『スーパーニンジャ』の張一道など、韓国勢との共演がいくつか見られる事に気付かされる。これら韓国系の共演者を見るに、羅鋭作品には韓国と何らかの繋がりが存在していた事が伺える。そして今回のサプライズはあの韓鷹が出演している事だろう。
ラストでは羅鋭VS韓鷹という濃厚な顔合わせによるファイトが見られるが、先述した物語面での惰弱さがどうしても鼻に付く。張旗・戴徹・羅鋭・韓鷹という布陣なら、もうちょっとマシな作品が出来そうだっただけに惜しい限りである。