『キョンシー大魔王』 | 続・功夫電影専科

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香港映画を始めとした古今東西のアクション映画の感想などを書き連ねています。


「キョンシー大魔王」
茅山學堂/靈幻祖師/中華第一隻彊屍
The First Vampire in China
1986

●本作は典型的な『霊幻道士』フォロワーで、日本でビデオが出た際には石堅(シー・キェン)が出演している事がウリとされたが、実際には色んなスターが出演している作品なのである(後述)。
石堅が長を務める霊幻道士の道場がある村に、新任の警察長官・曹査理がやって来た。幽霊を信じない曹査理に、村長の楚原(チュー・ヤン)をはじめとした人々は困惑するばかり。そんなある日、洞窟で玉のかけらを見つけて欲に目がくらんだ曹査理は、あろうことか墓を爆破。そこから曹査理は玉と金で装飾されたミイラを運び出してしまうのだが、このミイラこそ中国最古のキョンシーだったのだ。
このことが発端となってキョンシーが復活を開始。石堅は弟子の浩光(アンソニー・タン)と潘健君(トニー・プーン)を伴って曹査理の屋敷に潜入するが、とっくに曹査理が掘り出したキョンシーは蘇えっていた。どうにかキョンシーを退けた石堅一行は襲撃に備えるのだが、敵はすぐそこまで迫っていた…!
先述したとおり本作は便乗作品なのだが、製作が恒生であるためか特殊効果やアクションなどはそれなりに作りこんである。確かに『霊幻道士』よろしく糸を使ったバトルや、息を止めて右往左往したりする場面などがあったりするが、『幽霊道士』のようにスタントをケチったりすることは無い。また、クライマックスのバトルが集団戦であるという点も珍しく、恐らく当時の便乗作品の中ではそれなりに面白い方だと思われる。
本作では林正英の役を石堅が、錢小豪に相当する役柄を浩光と潘健君(彼は本作の武術指導を江道海と共に兼任)が担当。李賽鳳に当たるヒロイン枠には2人の女優(名前不明)を配し、樓南光のポジションを曹査理が務めている。
みんなそれなりに持ち味を発揮してはいるが、やっぱり曹査理だけはしっくりこない。それどころか、どうにか笑いを取ろうと奮闘している様が逆に痛々しく感じてしまったほどだ。『幽霊道士』の項でも触れたが、あのイヤミなのにどこか愛嬌のある樓南光の役は、袁小田が演じた赤鼻じいちゃんのように、容易に真似できるようなものではないのかもしれない(そう考えると、樓南光って凄い人なのかも…?)。
そんな曹査理だが、劇中ではかなり生命力が強いことが示唆され、劇中で彼を襲おうとした幽霊はことごとく弾き飛ばされてしまっている。別にこれがその後の展開に生かされるわけではないのだが、この曹査理にやられた面子が凄まじい顔ばかりなのである。
まず、冒頭で手違いによって召還されてしまった落ち武者の霊が出てくるが、これを演じているのは何と黄正利(ウォン・チェン・リー)!そして曹査理が踏み入った幽霊屋敷で登場する絵の幽霊を演じているのは、ショウブラの名悪役・王龍威なのだ!
彼らの登場に初見の際はかなり驚いたのだが…正直、こんなビッグネームのお二方が曹査理に吹っ飛ばされるだけの役だなんて、全然納得がいきませんでした。ちなみに黄正利と王龍威のアクションシーンは無いです…って、何のためにこの2人を出演させたんだよ!