『惡爺』 | 続・功夫電影専科

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香港映画を始めとした古今東西のアクション映画の感想などを書き連ねています。


惡爺
Coward Bastard
1980

▼かつてショウブラ作品が解禁される前は、ただでさえ入手の難しいショウブラ作品の中にも、多くのレア作品が存在した。とはいえ、私のように解禁後にショウブラを知った輩にはピンと来ないのも事実。『飛龍斬』や『血芙蓉』や、本作がそれらに該当するということだが、それも現在に至るに軒並みリリースされているため、ある程度の問題は解決している。
本作は『萬人斬』が個人的に大ヒットだった桂治洪監督の作品。ホラーに武侠、現代劇に古装片と多種多様な作品を手がけている桂治洪だが、今回は七小福の孟元文を起用したコメディ功夫片を作っている。この当時流行したコメディ功夫片の系列であり、『萬人斬』でも桂治洪の作品に参加した元華(ユン・ワー)も出演している。

■で、その内容なのだが、これがちょっとユルめな感じなのだ。定食屋の店員・孟元文はハゲ店長にこき使われてばかりの日々を送っていた。ある日、店に来ては嫌がらせを繰り返す林輝煌(明らかに石天っぽいキャラ…この人、『瘋猴』でも似た感じの役でしたねぇ)を倒してしまったことから恨みを買い、用心棒の王龍威と關鋒を差し向けられる。
ところがこの用心棒コンビ、孟元文の兄貴分である元華とは浅からぬ因縁があり、元華はひとり定食屋から抜け出した。孟元文はリベンジすべく元華に功夫を習おうとひっつき回るが、元華は「危ないから着いてくるな」と振り切ってしまう。その後、孟元文はボロ寺で出会ったホームレス師匠から、どうにか拳法を伝授してもらうのだった。
本作は80分ほどの小品な作品なのだが、ここまでの話をじっくり60分もやるのだから堪らない(爆)。林輝煌の嫌がらせが延々と続き、孟元文が元華にくっついて回る場面が延々と続き…とてもあの『萬人斬』を作った監督の作品と思えないぐらい、展開が遅いのである。もしかして桂治洪、コメディって苦手なんだろうか…?
ある程度腕を上げて帰ってきた孟元文。さっそく王龍威たちに勝負を挑むが、やはり短期特訓だけあってか返り討ちにあってしまう。そこで孟元文は協力を仰ごうと元華を探し当てたが、元華は断固として王龍威との関わりを避け、孟元文の申し出を拒否した。
そうこうしているうちに王龍威らの待ち伏せに遭遇した元華はピンチに陥るが、そこへ孟元文が駆けつけ、最後の対決の幕が上がるのだった。

▲う~ん、やっぱりユルいなぁ。
ストーリーはご覧の通り、かなりまったりとしたものだ。作中における功夫アクションもそんなに多くなく、くどいギャグが続くのは見ていて辛いものがあり、正直あまりいい作品とは言えない。しかし、出演作自体が少なかった孟元文と元華との共演は今見てみると貴重であり(しっかり両者の対決シーンもあります)、アクション自体も悪くはない。
また、若き日の元華がいっぱい見られる作品でもあるので、『カンフーハッスル』で元華を知った人にこそ見て頂きたい作品でもある。