
邊城皇帝/邊城梟雄/未代響馬/末代響馬
Country Side Hero/Border Town Hero
1995/1992
▼田俊(ジェームス・ティエン)、黄家達(カーター・ワン)、劉永(トニー・リュウ)…彼らはゴールデン・ハーベスト(以下GH)初期を支えた男優たちである。
田俊は言わずもがな、三人の中で1番の出世頭は黄家達で、郭南宏作品の常連となった台湾時代での姿のほうが我々日本のファンにはおなじみだろう。遂には『ゴースト・ハンターズ』でハリウッドにまで行き、現在でも『片腕拳王2005』などでその勇姿が確認できる。
…さて、では劉永はどこにいったのだろうか?彼はあまりGH時代もパッとせず、苗可秀らと同時期にショウブラへと移籍。武侠片へとスタイルを変えた。ところが暴力事件等々で80年代後半から出演作はガックリと落ち込むも、今でも一応俳優業は続けているらしい。
そして、そんな劉永の近作がこの作品なのだ。
■時は日本軍占領下の中国。狄威(ディック・ウェイ)の仕切る馬賊が警官隊の一斉攻撃を受けた。その争乱で賊は散り散りとなり、狄威の忘れ形見を伴って配下の1人が逃げ延びた。
それから15年後…忘れ形見は警官隊の隊長・劉永へと成長したが、盗賊によって恋人を殺されてしまう。劉永は悪の一掃を誓い、例え目の上のたんこぶである日本の犯罪者だろうが容赦なく断罪した。
狄威は小さな村に馬賊の生き残りと共に隠遁していた。たまに街へ出ることもあったが、そのときヨタ者の起こした事件で日本軍が街の人間を無差別に捕らえ、狄威の妻も捕まってしまった。住民の解放を望む劉永だが日本軍は譲らない。そこで狄威は妻を奪還すべく、再び銃を手に立ち上がる決意を固めた。
何も出来ない自分にもどかしさを感じていた劉永。その矢先に狄威たちが日本軍の護送団を襲撃し、彼らの姿に触発された劉永は狄威たちに加勢する。だが、狄威が賊だと知った劉永は彼を倒さんと立ちはだかった。狄威は劉永に何か共感できるものを感じていたようだが…。
勿論、こんな事件を日本軍が黙っているはずが無い。大島由加里にちょっと似たサムライ女や上官たちが兵を率い、劉永たちと狄威ら馬賊を一網打尽にしようと出動したのである。後日、劉永は引越ししようとする馬賊たちと合流していたが、そこに日本軍の無差別爆撃が振りかかる!
必至に応戦する馬賊と劉永たちだが、数の差に圧倒されて次々と多くの仲間たちが死んでいく。卑怯な日本軍に捨て身で立ち向かっていく劉永と狄威は…。
▲2人の親子を通して語られる動乱の物語…という感じの話なのだろうが、字幕無しの北京語吹替えVCDでの視聴だったこともあって、あまり詳しい内容までは解らなかった。
大勢のエキストラを動員した乱戦のシーンは迫力があり、広大なロケーション効果もなかなかのものである。しかし、思わせぶりに登場したサムライ女は全く活躍しないし、アクションも製作年度を考えるとどことなく味気無いのが残念だ(ラストバトルはテイストが『嵐を呼ぶドラゴン』っぽい)。
劉永VS狄威という、ありそうでなかった顔合わせの対戦が見られるのは嬉しいが、ドラマもセリフで補完しようとする部分もあるように見え、傑作とは言いづらいものになっている。
だが、本作での劉永はちょっと老けているが今でも二枚目で通用するルックスだ。場面によっては劉徳華に見えなくも無い…ってこんな事書くと劉徳華のファンに怒られそうだが、歳の割にはなかなかハンサムである。アクションもどうにか頑張っていたし、このままフェードアウトしてしまうのはちょっと惜しいと思うのだが…。