
「少林拳対五遁忍術」
五遁忍術
Five Element Ninjas/Chinese Super Ninjas/Super Ninjas
1982
▼張徹(チャン・チェ)のショウブラ時代晩年の作品で、コアな功夫映画ファンには英題の『Chinese Super Ninjas』で知られている一本である。主演は後期の張徹作品でいくつか主演作を張った程天賜。その他は五毒作品でもお馴染みの連中が顔を連ね、ラスボスには陳恵敏(チャーリー・チャン)が扮している。今回の陳恵敏は日本から来た忍者なのだが…傅聲のコメディ功夫片『小子有種』での役とかぶってて何だか笑えるような気がしないでもない(爆
■物語は二つの流派の対立から始まる(仮に赤組&白組と呼称します)。二組の攻防は一進一退だったが、白組は程天賜らの奮戦によって勝ち進んでいく。しかし赤組は最後の切り札として、日本から助っ人のサムライを呼んでいた。これには白組も苦戦したが、白組最強の男・羅莽(ロー・マン)の登場で勝負は決するのだった。敗北を喫した侍は、友人の忍者への手紙を赤組の大将へ託すと切腹して果てた…誰も、これがのちに大きな惨劇を生むとも知らずに。
赤組との戦いは終わった白組一同だが、今度は先のサムライの手紙を受け取った忍者から挑戦状が叩きつけられた。忍者は"五遁陣"という陣形で待ち受けているとの事で、まずは先遣隊がこれに挑んだ。
その名が示すとおり、"五遁陣"は金・木・水・火・土の各ゾーンに別れている。「金」は目くらましや飛び道具を用い、「木」は密林に隠れたゲリラ部隊が潜み、「水」は水中へ引きずり込もうと襲い来る。「火」は大量の煙幕で闇討ちをし、土中から敵が襲い来る「土」がラストステージとなる。先遣隊はこの陣形を突破することができず、結局は全滅してしまった。
失意に暮れる白組一行。しかし忍者は追撃の手を緩めることなく、今度は白組の本拠へくノ一を潜り込ませた。油断した羅莽はくノ一に刺された末に殺され、忍者軍団に襲撃を受けた白組はほとんど全滅してしまう。一方、なぜか殺されずに捕らえられた程天賜だが、そこで彼は忍術を知る師匠のことを思い出し、脱出してその師匠の元へと走った。
その師匠の元には他にも弟子がいたのだが…(笑)。なぜ(笑)かというと、その面子が王力(ワン・リー)や余太平ら五毒作品の常連悪役ばっかりなのである。そんな彼等と師匠の元で忍者対策の訓練をしていく程天賜。彼等は専用の特殊武器なども開発し、長き特訓の末にいよいよ忍者軍団との決戦を迎えた。
万全の対策をひっさげて"五遁陣"に挑む程天賜たちは、次々と陣を破っていく。そして最後のステージである「土」にて、ついに総大将の陳恵敏が現れた!血みどろの死闘の果てに、勝つのは程天賜か!忍者軍団か!
▲本作は裏『少林寺VS忍者』とも言える作品である。以前触れたが、『少林寺VS忍者』は不要な血は流れないし、それでいてアクションは満載な作品だった。本作は日本人との対立やアイディア満載のアクションなどで飽きさせないところは似ているが、張徹らしくドロドロとした血が流れる作品になっている。
しかし、だからといって本作が悪いというわけではない。むしろ、これがかなり面白いのである。まるでゲームのように進む"五遁陣"との戦いや、メチャクチャ強い忍者軍団をどうやって倒していくのかという攻略の課程。そして手に汗握るラストバトルまでがあっという間に進んでいくのだ。
個人的には潜入したくノ一とのやりとりを省き、"五遁陣"をどう破るかという修業をもっと見せて欲しかった所だが、最後の程天賜&五毒作品の悪役陣VS陳恵敏は、陳恵敏のベストバウトと言っても差し支えない激しさ!晩年とはいえ、妥協しない作品作りに取り組む張徹の姿勢が垣間見える秀作だった。
狄龍(ティ・ロン)や傅聲(フー・シェン)などの主演作が取り沙汰される張徹作品だが、こういったものも見逃せませんね。