
「フィスト・オブ・レジェンド/怒りの鉄拳」
原題:精武英雄
英題:Fist of Legend
製作:1994年
▼本作はかの李小龍の名作『ドラゴン怒りの鉄拳』のリメイク作品である。『精武門』関連作品といえば、これまでにジャッキーが続編の主人公を演じたほか、甄子丹、梁小龍が電視劇で陳真に扮し、バッタもん李小龍を含めれば相当数になるだろう。
肝心の出演陣は李連杰を筆頭に、かつて『怒りの鉄拳』のオファーを受けながらも出演が果たせなかった倉田保昭、キックボクサー出身の周比利(ビリー・チョウ)、さらに"最後の功夫スター"錢小豪(チン・シウホウ)、ヒロインに中山忍を迎えて単なるリメイクではない様相をみせている。
■物語は日本から幕を開ける。陳真こと李連杰は日本の大学に留学して学業に励んでいたが、倉田さんを通じて師匠の訃報を聞き、一路上海に帰ることになった。
師匠の死因が不確定で、かつ他流試合の最中に倒れたことを怪しんだ李連杰は、その時師匠が戦った相手である芥川さん(演じるは樓學賢(ジャクソン・ラウ)という人)のいる虹口道場へ行くと大暴れを展開。芥川さんは呆気なく倒れ、李連杰は「師匠はきっと謀殺されたに違いない」と確信する。
翌日、警察の立会いのもとで検死解剖が行われることとなり、李連杰は師匠の棺を兄弟子の錢小豪と共に墓から掘り出した。検死の結果は毒殺で、道場の仲間たちは身内の犯行だといぶかしむ。それから李連杰は道場で弟弟子の育成に励んだが、一方でないがしろにされ続ける錢小豪はあまりいい気分ではなかった。
この一連の事件は、精武門を潰そうと企む日本軍の藤田(周比利)の仕業だった。周比利はまず邪魔者の李連杰を失脚させるべく、敗北した芥川を殺害してその罪を彼に擦り付けた。李連杰は仕方なく精武門を去り、日本からやってきた中山忍と掘っ立て小屋で暮らすことになってしまい、錢小豪も李連杰に嫉妬して歓楽街へと走ってしまう。
空中分解状態となった精武門…そこに日本軍から挑戦状が送られてきた。相手はなんと倉田さん!倉田さんは李連杰の元へ向かったが、本当は倉田さんは軍部に肩入れしたくなかったこともあり、勝負は引き分けのうちに終わった。その後、再会した李連杰と立ち直った錢小豪は、打倒周比利のために特訓を開始する。敵は虹口道場にいる日本軍人周比利!二人の前に、とてつもない壁が立ちふさがるのだが…!?
▲まず凄いと思ったのが、ラストの李連杰と周比利の一騎打ちだ。とにかく拳を打ちまくる李連杰だが、周比利は不動!殴っても蹴っても倒れない!お前は怪物か!前哨戦の錢小豪VS周比利も周比利が片手片足しか使ってないで勝ったのもまた凄まじい。倉田さんと李連杰との対決もかなりのもので、年齢を感じさせないスピーディーな、世代を超えたドラゴン同士の対決は一見の価値ありだ。
しかし本作で気になったのは錢小豪の扱いである。張徹作品から新たなスターとしてデビューした錢小豪だが、90年代に入ってからは損な役ばかりな気がしてならない。同じく李連杰と共演した『大地無限』では裏切り者だったし、『セブンス・カース』ではいいところを周潤發に持っていかれ、その後もこれといった代表作がないまま現在に至っている。
どちらかというと兄弟の錢嘉樂(チン・ガーロッ)の方が活躍している気がするし、彼は近年も俳優のみならず監督業へ進出するなど精力的だが、錢小豪については最近活躍は全く聞こえてこない。このまま埋もれるには惜しいと思うのだが…それは錢小豪の今後の躍進に期待しよう。