『香港・東京特捜刑事』 | 続・功夫電影専科

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「香港・東京特捜刑事」
皇家師姐3雌雄大盗
IN THE LINE OF DUTY 3

●東京で発生した宝石強奪事件の犯人である西脇美智子を追って、香港に渡った刑事の藤岡弘。彼は犯人逮捕に先走るあまり行く先々でトラブルを巻き起こすが、香港の楊麗青(シンシア・カーン)刑事と共に西脇&狄威(ディック・ウェイ)のコンビを追っていく…。
本作は楊麗青の記念すべき一本立ち主演作第1弾である。前作に引き続き日本からのゲスト(藤岡弘)を招いて制作されたあたりを見るに、どうやら本作は日本をメインのターゲットにしていたようである。
かの昔より、日本に李小龍が上陸して大旋風を巻き起こした時から、香港映画は日本という市場を重要視していた。その後ジャッキーがブレイクするにあたってその勢いは最高潮となり、ジャッキー・サモハン・ユンピョウが武道館でライブをするなど、今では考えられないような豪華イベントが行われていたのである。
作品面でもその盛況ぶりは大きく反映され、わざわざ日本公開の為にアクションシーンや新たな出演者を足した映画(『ファースト・ミッション』『Mr.Boo!!インベーダー作戦』など)などもあった。そして『大福星』のように日本のファンへ感謝の意を込めた作品が製作されるなど、どれほどのものだったかが窺い知れるだろう(最近はそれ程でもないのが残念)。
そして本作では『皇家戦士』の真田広之に次いで藤岡弘を、『大福星』以降すっかり香港映画女優としていくつもの作品に出演していた西脇美智子を起用するなどしてアピールをしている。同様の事は『天使行動』で西城秀樹が出演した件があるものの、本作は残念ながらそれほど話題にはならなかった。
思うに、D&Bお馴染みの鬱な展開とアンダーワールドなイメージ(あれだけ活躍していた藤岡がクライマックスで退場、復讐が復讐を呼ぶ陰惨な展開など)があまり我々日本人には受け入れづらかったのだろう。しかし本作での楊麗青の活躍は目覚ましく、冒頭から婦人警官の制服を裂いて可愛らしく頑張ったり、体当たりのスタントにも果敢に挑戦したり、ラストのVS西脇&狄威とのバトルも印象は地味だがなかなかの闘いを繰り広げている。
そして"皇家師姐シリーズ"第4弾となる次回作で、楊麗青は同じくD&Bで共に闘っていたある男と共演する。その男こそあの甄子丹(ドニー・イェン)であり、彼が欧米で注目を浴びる事となる『クライム・キーパー/香港捜査官』となるのである。