『ファントム・セブン 香港機動警察』 | 続・功夫電影専科

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「ファントム・セブン 香港機動警察」
七金剛/7金剛
Wonder Seven/Phantom Seven
1994

●楊紫瓊(ミシェール・ヨー)主演作の中では余り知られていない作品。それもそのはず、本作の主演は楊紫瓊ではなくヤサ男ら七人の戦士たちで、楊紫瓊は敵組織の幹部として登場しているが、ハッキリ言って脇役である。香港返還を目前に望む香港で特殊部隊"七金剛"が2枚のディスクを巡る陰謀に巻き込まれ、悪の組織やかつての恩師・徐錦江(チョイ・カムコン)の部隊と闘わざるを得なくなる。そんな戦いの中、"七金剛"の1人であるヤサ男は敵組織の人間とは知らずに楊紫瓊に恋をする…本作はこの2つのエピソードが主軸となって進んでいく。
しかし蓋を開けてみてみれば、ストーリーは物語が進行するにつれてどんどん散漫になっていき、かなり訳の解らないものになっている。
本作で一番鼻についたのはその中途半端さだ。冒頭に"七金剛"メンバーの紹介があるがゴチャゴチャしてて分かりづらいし、悪の組織はディスクを持つ"七金剛"たちをただ追い駆けているだけだし、大袈裟に登場した徐錦江も大した活躍はしないし、味方の裏切り者はすぐに正体が発覚するし、何よりもヤサ男が好きだ好きだと一方的にアピールしていただけなのにも関わらず楊紫瓊が彼になびいてしまった事が一番納得いかない!(爆
おまけにアクションは武術指導が4人(監督の程小東・出演もしている熊欣欣など)もいるのに、肉弾戦はほんの少しだけで、あとはバイクアクションや銃撃戦でお茶を濁している。残念ながら楊紫瓊の功夫アクションも思ったより無く、個人的に気になっていた熊欣欣もほとんど"その他大勢"的な扱いだ。
主要キャラを『ワイルド7』にし、主役と楊紫瓊とで『ロミオとジュリエット』なラブストーリーを加え、群像劇もぶち込もうとするなど欲張りに欲張った結果、本作は闇鍋のような作品となってしまったようだ。人員は素晴らしい面子が揃っていたのだが…。
ちなみに、本作で一番印象に残った2つのシーンがある。1つはクライマックスでの一幕で、木魚爆弾によってエレベータが吹き飛び、ヘリコプターに突き刺さる(!)という場面。もう1つはメンバーの1人が死に、仲間たちがその死を悼んで派手な葬儀を行う場面だ。前者も何がなんだかというものだが、特に後者の葬儀の場面はブッ飛んでいる。
その葬儀だが、死んだ仲間をバイクに固定し、バイクを自走させて崖から落ちたところをダイナマイトで爆破するという方法で弔われる(爆笑)。そんな方法で葬ったら浮かばれないだろ!とツッコミたくなる程とんでもない葬儀だが、その場面で物悲しい曲をバックに他の仲間たちは涙を流している…これでいいのか!?
もしかしたらこの死んだ仲間は、逆に他のメンバーから恨まれていたのかもしれない(爆