
「激殺!邪道拳」
Soul Of Chiba
1977
●これまで特集の中で紹介してきた映画はある程度狂った内容の映画ばかりだった。だが、今回紹介するこの映画は半端ではない。なにしろ、マジで狂った内容だからだ!(爆
本作はタイとの合作による奇天烈カラテ映画である。出演者だけ羅列すると凄い連中ばかりで、まず千葉ちゃんを筆頭に志穂美悦子、『不死身の四天王』の鹿村泰祥、『ザ・カラテ』の山下タダシ、香港映画から日本の刑事ドラマまで仕事を選ばない楊斯(ヤン・スエ)まで!だが本作はこれだけではない。前回まで紹介してきた荒唐無稽な空手映画を凌駕する、とんでもないものなのである。
まずストーリー云々より先に気になった事がある。この作品を見たのはビデオレンタル…すなわち正規のもので視聴した(上記画像のやつ)。だが、その仕様は海賊版VCD並みに悪い画質だったり、音声も声の小さいところはほとんど聞こえなくなったりする悪さだ。これはビデオテープの経年劣化ではなく、もとからそういうソースを使ったものかと思われる。どうしてこんな状態のものをソフト化したのだろうか?
そして、その本筋もまた怪しいものだった。話は千葉ちゃんが師匠を殺した鹿村を追う話だが、最初の30分は主役が千葉ちゃんではなく、タイのわけわからん俳優と仲間の山下タダシだ。「実はあなたは生き別れの息子…!」とかヘンなドラマが続くが、これがかなりかったるい。結局タイの俳優は敵に撃たれて死んでしまう。
それはさておき(笑)、千葉ちゃんは鹿村に勝つため電気ショックを体に流すという狂気の沙汰のような特訓をしていたのだが、その苦痛を紛らわすために麻薬中毒になっていた…いや、ホントにこんな話です。
そんなこんなで山下は千葉ちゃんと共同戦線を張って(というか千葉ちゃんと山下という顔合わせも凄い)、鹿村たちが潜む島に潜入する。ここで千葉ちゃんは鹿村、山下は楊斯と戦うのだが、個人的には千葉チャンVS楊斯というのも見てみたかったです(本作で大きく評価できる点はこのレアな対戦カードだけ)。
あとは悦ちゃんと鹿村がマトモに戦闘しなかったのも惜しいが、武術指導を鹿村が担当したおかげで『殺人拳』シリーズなどの一連の千葉カラテとは一線を画すアクションが完成している。
鹿村は香港で日本人アクションスターとして協利の『龍家将』などにも出演する一方、『萬人斬』や『女集中営』といったショウブラ作品で武術指導家としても活躍している。今回の"いつもの千葉ちゃん空手"と"香港式の長回し&早回しショット"のおかげで『けんか空手極真拳』などのカメラをグラグラさせたりする見辛いカメラワークよりかはスッキリしており、これまでの空手映画にはなかった異質なアクションを見ることが出来る。
この他にも、やたら少ないBGM、神打や猿拳やムエタイが登場したり、千葉ちゃんと悦ちゃんの他は全員キャストの声が吹き替えられてたりと、まさに闇鍋状態の凄い内容となっております(最後なんて見ているコッチが失神しそうな結末が!)。
…しかし、ほんとにどうしてこんな映画が作られたのだろうか、真相は闇の中である。