
七殺街/奇男子
英題:Infernal Street
製作:1973年
●(※タイトルの"殺"の字は旧漢字体です)
賭博場を運営し、阿片を蔓延させる悪い日本人に対し、薬屋に居候している游天龍は苦い顔をしていた。日に日に阿片の中毒患者は増え続け、しびれを切らした彼は「揉め事はするな!」という薬屋のおじさん・曹健の忠告を振り切り、日本人たちをどんどん倒していく。
対する日本人たちも黙ってはおらず、罠によって游天龍は強姦と殺人の罪を着せられてしまう。やがて彼は警察に逮捕されてしまうが、連行された先は日本人たちの根城。薬屋にも刺客が迫り、曹健とヒロインの王景平意外は全滅してしまった。
激しい拷問を受け、全てが罠だと気付いた游天龍たちだが、そこに日本人の元締め・苗天(ミャオ・ティン)が姿を見せる。この男、かつて武術家だった曹健を負かした男で、再び因縁の対決が勃発する。そのころ游天龍は、一緒に捕まっていた女の助けを得て脱出。負けそうになっていた曹健に代わり、游天龍Vs苗天の激突が始まる!
ここ最近は「Martial Arts 50 Movie Pack」からチョイスしてレビューを書いていますが、選んだつもりはないのに『猛獅』『大惡寇』と抗日功夫映画が連続しています(汗
さすがに類似品の三連発はキツいものがありますが、『猛獅』は『空手ヘラクレス』っぽい地味アクション、『大惡寇』が『ドラゴン怒りの鉄拳』の影響を受けた作品だったのに対し、本作は実にシンプルな抗日功夫片に仕上がっていました。
主演を務めるのは游天龍という人で、個人的にはあまり馴染みのないキャスティング。顔も狄龍を若くして薄めたようなルックスで、やや華やかさが足りない印象を感じます。とはいえ、本作では武術指導も兼任しており、その動きはとても俊敏。ファイトスタイルも李小龍の模倣に傾倒したりせず、自分なりの立ち回りを確立しています。
では本作のアクションは具体的にどういう物なのかというと、どことなく張徹(チャン・ツェー)作品を彷彿とさせるような、丁々発止のスタイルとなっているのです。勢いとスピード感が重視されており、あまり著名な功夫スターが出ていないにも関わらず、アクションの質は上々でした。
ラストバトルにおいては、結構なお歳に見える苗天も果敢に攻め立てており、見ごたえは十分。ただ、構えから服装にいたるまで『ドラゴン怒りの鉄拳』のロバート・ベイカーまんまだったため、これにはちょっと笑ってしまいました(ちゃんとサスペンダーのベルトをバチンとする仕草もやります・笑)。
あまり特徴らしい特徴はなく、地味にまとまっている印象は否めないものの、立ち回りの質だけは保障されている意外な佳作。ちなみに最後のオチがは『怒りの鉄拳』とは逆の小気味良いものとなっていて、鑑賞後の後味は悪くありません。主役が生き残るのは『猛獅』や『大惡寇』も同様なんですが、これは悲壮感あふれる結末で終わった『怒りの鉄拳』からの反動…だったりするのかな?